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第2編 国家公務員倫理審査会の業務

第1部 倫理制度に関するこの1年の主な動きと今後の課題

1 倫理制度の枠組み


(1) 倫理制度の枠組み

倫理法は、かつて、幹部公務員を中心に不祥事が続発し、厳しい社会的批判を招いたことを背景として、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為を防止することにより、公務に対する国民の信頼を確保することを目的として、平成11年8月に制定され、平成12年4月から全面施行された。

倫理法は、職員が遵守すべき職務に係る倫理原則を定めるとともに、職務に係る倫理の保持に関する事務を行う機関である倫理審査会の設置、倫理原則を踏まえて職員の倫理保持に必要な事項を定める政令(倫理規程)の制定、職員と事業者等との接触について透明性を確保するための各種報告書の制度などについて規定している。

また、倫理規程は、倫理法の倫理原則を受けた倫理行動規準を定めるとともに、許認可等の相手方、補助金等の交付を受ける者など、職員の職務と利害関係を有する者の範囲を明確に定め、職員が利害関係者から贈与や接待を受けることなど、国民の疑惑や不信を招くような行為の禁止・制限などについて規定している。

(2) 各府省等に対する指導

平成19年度においては、職員を指導監督する立場にある幹部職員の在職中の倫理法等違反が退職後に発覚するなどの不祥事が発生したことを踏まえ、会長から各府省等倫理監督官に対し、幹部職員の職務に係る倫理の保持の徹底を要請する通知を発出した。

また、職員が利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて講演等をしようとする場合はあらかじめ倫理監督官の承認を得なければならないこととされているが、講演等をすることが国民の疑惑や不信を招くおそれのないよう、会長から各府省等倫理監督官に対し、承認に当たって留意すべき事項等を示す通知を発出した。


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