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第2編 国家公務員倫理審査会の業務
第1部 倫理制度に関するこの1年の主な動きと今後の課題
3 倫理制度をめぐる状況と今後の課題
倫理法・倫理規程は、施行から8年が経過し、職員が遵守すべきルールとして定着しつつあると思われるが、一方で個々の職員による遵守の状況をみると、倫理法等違反の件数は、ここ数年、増加の傾向にあり、いまだ一人ひとりの公務員の中に倫理規範として十分に浸透・定着したとは言い難い状況にある。特に平成19年度は、職員を指導監督する立場にある幹部職員の倫理法等違反が明らかになるなど、公務に対する国民の信頼を大きく揺るがす不祥事が発生し、各種アンケート調査の結果等からも、公務員倫理に対する国民の評価は依然として厳しいことがうかがわれる。
このような状況にかんがみ、倫理審査会としては、職員による倫理法等違反を防止するため、引き続き、職員への倫理法等の周知に力を注ぎ、倫理意識を高めることはもちろん、公務員と接触する機会の多い民間企業等に対しても積極的な広報活動を行い、職員の倫理保持についての協力を求めるなどの対策を講じていく必要があると考えている。また、倫理保持のための体制を充実・強化し、倫理法等違反行為を許さない健全な組織風土を実現するとともに、倫理法等違反が明らかになった場合には、迅速かつ厳正な対処を行うことで、国民の疑惑や不信を招く行為を防止し、公務に対する国民の信頼回復に努める必要があると考えている。
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