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第1編 《人事行政》

【第3部】  平成24年度業務状況

第2章 人材の育成

第3節 派遣研修

1 在外研究員制度

(1)行政官長期在外研究員制度

本制度は、行政の国際化が進展する中で、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を2年間諸外国の大学院に派遣し、研究に従事させる制度である。

派遣される研究員は、在職期間が8年未満の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の選考を経て決定している。

平成24年度は120人を派遣し、このうち3人については、平成24年度より導入した博士号を取得させる仕組みの下で博士課程に派遣した。派遣先国別の内訳は、アメリカ73人(うち博士課程2人)、イギリス33人(うち博士課程1人)、フランス5人、ドイツ4人、中国2人、韓国2人、オーストラリア1人となっている。

昭和41年度の制度発足以来、平成24年度までに派遣した研究員の総数は2,917人で、昭和62年度以降着実に増加し、特に平成14年度以降、派遣者数は毎年度120人以上で推移している(図2-2)。

図2-2 行政官長期在外研究員派遣者数の推移

派遣した研究員の総数を派遣先国(地域)別の内訳でみると、アメリカ2,162人、イギリス440人、フランス146人、ドイツ67人、カナダ46人、オーストラリア26人、中国16人、韓国5人、オランダ4人、その他5人となっている。

この制度の修了者は、修士号の学位等を取得するとともに、帰国後、在外公館等海外のポストで活躍する者が多い。国内にあっても、国際的視野に立った行政施策の企画・調整の衝に当たるなど、我が国行政の国際的な活動において、大きな役割を担っている。

(2)行政官短期在外研究員制度

本制度は、諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大する国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を6か月間又は1年間、諸外国の政府機関等に派遣する制度である。

派遣される研究員は、在職期間がおおむね6年以上で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の3級以上(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院が選抜審査を行って決定している。研究員は、諸外国の政府機関、国際機関等に派遣され、それぞれの課題について調査研究活動に従事する。

平成24年度は27人を派遣しており、派遣先内訳は、表2-6のとおりである。

なお、平成24年度より、経済協力開発機構(OECD)への派遣コースを新設し、これにより、1人を派遣した。

昭和49年度の制度発足以来、平成24年度までに派遣した研究員の総数は1,376人で、派遣先国(地域)別の内訳でみると、アメリカ672人、イギリス287人、オーストラリア92人、ドイツ55人、フランス55人、カナダ52人、その他163人となっている。

研究員が帰国後に提出する研究報告書は、海外の制度、実情に関する最新の情報であり、関連する行政分野における貴重な資料として、各府省の行政に反映されているほか、研究員がその後の業務を行う上で、各府省の枠を越えて国の在り方を考える広い視野、識見を培うことにも役立っていると考えられる。

表2-6 平成24年度行政官短期在外研究員派遣状況

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