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第1編 《人事行政》

【第3部】  平成24年度業務状況

第8章 国際協力

第2節 国際協力・国際交流

4 主要国政府幹部行政官の招へい

人事院は、人事行政に係る専門機関として、各国人事行政機関との連携を強化し、人事行政分野における協力を推進するとともに、我が国の公務員制度が直面する課題に関し、各国の状況・経験から示唆を得ることを目的として、毎年、主要国の人事行政機関の幹部行政官等を招へいし、人事行政の最新の実情について意見交換を行っている。

平成24年度においては、米国人事管理庁労使関係担当副長官補のティモシー・カリー氏、ドイツ連邦内務省給与担当課長のダニエル・クリスティアンス氏を同時に招へいし、「公務員給与決定における議会の役割」をテーマに、120人を超える参加者を得て、公開のパネル・ディスカッションを日本行政学会との共催により実施した。

同ディスカッションでは、給与については労使交渉を原則として認めず、法律で定めることを基本とする方式を採る米国と、官吏と公務被用者との区別を設け、官吏の給与は法定する一方、公務被用者の給与は労使交渉によって決定するドイツにつき、両招へい者からそれぞれの国の実情や制度の根底を流れる考え方等の説明がなされた。その後、人事院事務総長もパネリストに加わり、労使協約ではなく議会による給与決定(法定主義)を採っている理由、労使交渉の実態、民間給与との比較、公務の給与決定に必要な考慮要素、我が国の給与決定方式等について活発な意見交換がなされた。さらに、中央大学大学院公共政策研究科においても、研究者・院生との意見交換会を同大学と共催し、米独における公務員給与決定方式のほか、両国での採用方法、優秀な人材確保のための工夫、公務の意義、公務員に対する世論の影響等につき、幅広い質疑がなされた。


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