第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第4章 人事行政分野における国際協力及びIT化の推進

2 人事管理業務のIT化の推進

人事・給与関係業務情報システムは、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議の決定による「人事・給与等業務・システム最適化計画」(平成16年2月27日)等に基づき、人事管理、給与管理、共済管理、職員からの届出・申請処理等の諸機能を一体化した府省共通システムであり、平成27年度までに全ての府省等に導入することとされていた。しかし、システム構築前の業務の整理が不十分であったこと、性能面等に課題があることを踏まえ、平成26年8月に設置された人事給与業務効率化推進会議の下、平成28年度中に全ての府省等が本システムに移行を行うことを目指して、人事給与業務の簡素化・効率化を図るとともに、システム運用等に係る経費の最小限化を行うため、政府全体で人事給与業務の抜本的な見直しに取り組んでいる。

人事院においては、関係機関と連携しつつ、平成27年度は、以下の取組を実施した。

(1)改善計画の改定に向けた取組

平成27年3月に人事給与業務効率化推進会議により決定された人事給与業務効率化に向けた改善計画に掲げられている「人給システムの改革」に関する施策について、関係機関と連携しつつ、その的確性及び効果等の確認・検証を実施するとともに、改善計画に基づくシステムの改修スケジュール及び各府省等の本システムへの移行スケジュールの策定作業を、各府省等と十分に調整しつつ実施した。その結果を踏まえて、同年8月に改善計画の改定が行われた。

(2)「人事給与業務の改革」に係る施策の実施に向けた取組

改善計画には、府省等の一体的なシステム利用を前提とした行政内部の事務の簡素化・効率化の徹底や円滑なシステム利用を目指し、平成28年度までに業務の統一化・合理化、電子化の推進、実施体制等の見直しを柱として「人事給与業務の改革」を進めることが明記されている。そのため、平成27年度は、

  1. ① 各府省の運用実態等に合わせ柔軟に取り扱われてきた人事給与業務に係る各種調書等の様式の統一
  2. ② 人事異動通知書の様式及び記載事項に関する運用を規則及び通達の規定上の取扱いに統一
  3. ③ 人事異動通知書や昇格・昇給に関する通知、給与明細書等の本システムで作成される通知について、原則、電子交付を実施

に向けて、各府省等との調整を行いつつ、運用規定や各種様式の見直しを進めた。

(3)「人給システムの改革」に係る施策の実施に向けた取組

本システムによる事務処理時間を短縮化するための性能向上及び業務処理の際に発生した課題を見直すシステム改修について、改善計画の改定直後から要件定義書等の策定作業を開始し、各府省等の了解を得た上で、平成27年11月から平成28年3月にかけて調達手続を実施した。その上で、平成28年2月及び同年3月に受託業者との間で契約を締結し、システム改修に係る設計・開発に着手した。

さらに、既に本システムを導入している府省等の移行作業におけるノウハウ等の情報共有を通じ、府省等間の連携強化を目的として、移行経験、システムに関する知識・経験のある職員等で構成する特別移行支援チームの発足、移行府省等の業務担当者等に本システムの基本的な機能等を理解させるための利用者講習会の開催(東京都)等、各府省の移行を効率的かつ円滑に進めるための支援等も行った。

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