第2編 《国家公務員倫理審査会の業務》

第1章 倫理の保持を図るための啓発活動等

2 職員の職務に係る倫理の保持のための研修

倫理審査会は、倫理法第11条第4号の規定により、職員の職務に係る倫理の保持のための研修に関する総合的企画及び調整を行うほか、自ら実施することが適当と認められる研修については、これを計画し、実施することとされている。平成27年度においては、次の(1)~(3)の業務を実施した。

(1)倫理制度説明会の実施

倫理制度の周知徹底及び各府省等における倫理研修指導者の養成を目的として、各府省等の本府省や地方機関の倫理事務担当者等を対象とした倫理制度説明会を全国10か所において開催し、倫理制度全般、調査及び懲戒手続の留意点、各種報告書の審査方法等の説明を行った(参加者計506人)。

(2)公務員倫理セミナーの開催

各府省等の地方機関の職員をはじめ、企業の従業員や地方公共団体の職員等も対象とした公務員倫理セミナーを京都市及び盛岡市において開催した。倫理審査会事務局職員による制度説明に加え、京都市においては近畿大学経営学部教授の中谷常二氏、盛岡市においては明治大学商学部長の出見世信之氏による公務員倫理に関する講演を行った(参加者 京都市:94人、盛岡市:69人、合計163人)。

公務員倫理セミナーの講演

中谷常二氏
(近畿大学経営学部教授)

出見世信之氏
(明治大学商学部長)

(3)ケーススタディ用DVD研修教材の制作等

倫理制度の概要や法令が収録された小冊子「国家公務員倫理教本」の改訂を行うとともに、最近問題となった事例、職員が判断に迷う事例や対応に困る事例などを取り入れたケーススタディ用DVD研修教材(Vol.10)を制作し、各府省等に配付した。


倫理審査会制作の研修教材、パンフレット等

倫理審査会としては、今後も各府省等における倫理研修の企画・実施に資するよう、各府省等からの要望も踏まえ、新任担当者向けの制度説明の実施、最新の違反事例の紹介、各種研修教材の改善・配付などを引き続き行っていく。倫理研修を長期間あるいは一度も受講したことのない職員が依然として一部にみられることもあり(後掲4(2)「エ 倫理に関する研修の受講状況(職員アンケート)」参照)、各府省等に対して所属職員に研修受講の機会を積極的に付与するよう引き続き求めていく。

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