― はじめに、緊急災害対策派遣隊の業務内容をお聞かせください。緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)は、迅速に地方公共団体等への支援が行えるよう、国土交通省において平成二〇年四月に創設されました。隊員として、地方整備局等の職員が活動しています。大規模自然災害が発生、又は発生するおそれがある場合には、その地域を管轄するTEC―FORCEを中心に、地方自治体からの要請等に基づき迅速に出動し、被災状況の把握、被害の発生・拡大の防止、被災地の早期復旧といった災害応急対策や、災害復旧申請、復旧工事における技術的な支援等を行っています。― 緊急時の対応に備えて、日頃からどのような訓練や準備をされているのでしょうか。九州地方は、近年、毎年のように大規模災害が発生するなど、風水害や土砂災害などの自然災害が多く、火山災害や南海トラフ地震等の発生リスクもあります。このため、九州地方整備局では、風水害訓練や地震・津波訓練を通して、緊急時の対応に備えています。具体的には、防災ヘリコプターによる広域的な被災状況の把握や緊急輸送ルートの道路啓開調査など、タイムラインに基づいた初動対応訓練を始め、ドローンや最新のデジタル機器等の操作訓練により、TEC―FORCE隊員の災害対応力の強化に努めています。▲被災地に向かう隊員の出発式の様子国土交通省 九州地方整備局緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)九州地方の大規模自然災害において被災地へ職員を派遣し、応急対策を実施。記録的な大雨となった令和4年台風第14号では、河川・道路の被災状況調査にデジタル技術やドローンを積極的に活用するなど、被災地の早期復旧に大きく貢献したことが認められました。なお、令和6年能登半島地震においても、デジタル技術を用いた被災状況調査等を行っています。人事院総裁賞「職域部門」受賞12デジタル技術も駆使し、被災地の早期復旧へ貢献
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