人事院月報 2024年5月号 No.897
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― はじめに、気象大学校ではどのような業務を行っているのでしょうか。高校を卒業して気象大学校学生採用試験に合格し、気象大学校学生として採用された職員に、一般教養、基礎及び専門教科、気象庁での業務を遂行するために必要な知識と技能を教授しています。また、全国の気象庁職員に対しても、役職段階や担当業務に応じた研修を行い、気象業務の遂行に必要な知識と技能を教授しています。― 昨年、創立一〇〇年を迎えられましたが、組織のターニングポイントになった出来事があればお聞かせください。気象大学校の前身である中央気象台附属測候技術官養成所が大正一一年に設立されて以降、名称が気象技術官養成所、中央気象台研修所、気象庁研修所、気象大学校と四回にわたり変更されました。とりわけ、昭和二六年の気象技術官養成所から中央気象台研修所への変更は、戦後の教育行政の整理統合に伴うもので、これにより高等教育機能が一時失われましたが、その必要性の再認識のもと、昭和三四年の高等部の設置により高等教育機能は復活し、現在の気象大学校へとつながっています。こうした変遷は、社会情勢により国の組織は変わるものの、いつの時代も、科学に基づく気象業務を担う人材が必要とされ続けてきたことの証あしであり、その上に気象大学校の今があると考えています。か▲気象大学校生による地上気象観測実習気象庁気象大学校100年以上の長きにわたり気象庁職員に対して専門的な知識・技術に係る教育・研修を実施。職員の技術力・能力向上を通して、指導的な役割を果たす職員を育成し、気象業務の基盤を支えるとともに、国民の安全・安心の確保や公務の信頼の向上にも大きく貢献したことが認められました。人事院総裁賞「職域部門」受賞14100年にわたり気象業務を支える人材を育成

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