人事院月報 2024年5月号 No.897
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oyee Vaue llProposition (EVP))とは、職員が働くEVPは、オーストラリア公務で働く利EVPを策定するに当たり、職員がオー務の魅力を効果的に伝達できていなかった結果の信憑性をとても重視しました。そのため、この調査においては、オーストラリア公務内の様々な事業分野の職員や利害関係者の意見に耳を傾け、意見をまとめました。調査を開始するに当たっては、二つの仮説を念頭に置きました。一つ目は、オーストラリア公務が提供する価値の魅力が強力でないのではないか、二つ目は、伝えたいことがうまく伝わっていないのではないかということでした。調査を通じて、最初の仮説は反証されましたが、二つ目の仮説は正しいことが分かりました。すなわち、公 国際課一 講演の概要《職員への価値提案とは》職員への価値提案(Empことによって得られる価値を示すものです。EVPは、オーストラリア公務に有為な人材を惹き付け、定着させることに資する強力なツールであると考えています。点を明確にすることで、人々が抱くオーストラリア公務に対するありがちな誤解を解き、公務の役割や責務に関する理解を促します。また、EVPは、オーストラリア公務の価値に理解を示す人材の採用を可能にするとともに、求職者と在職者が雇用者を評価し、比較する際にも役立ちます。《EVPの開発》ストラリア公務に求めているものは何かというところから調べる必要があり、様々なデータを活用しました。私たちが目指していたことは、オーストラリア公務で働くことの利点を説得力のある方法で職員や求職者に伝えることでした。これは、オーストラリア国民の公務に対する信頼にも関わることから、私たちは 近年、人材の流動化や働く人々の価値観の多様化が進む中で、企業や組織がそこで働く人々にどういった価値(利益)を提供できるかを言語化する動きがあります。こうした取組はEVP(Employee Value Proposition)、直訳すると「職員への価値提案」と呼ばれています。人事院は、令和6年2月21日(水)に国際講演会を主催し、政府としてEVPの取組を推進しているオーストラリア公務委員会Australian Public Service Commission (APSC) よりその取組を紹介していただきました。人事行政報告シャノン・オーウェンオーストラリア公務委員会未来の働き方タスクフォース課長代理アリサム・ドーク同委員会職員調査・分析担当課長補佐アダム・スミス同委員会キャリアパスウェイ担当課長代理18~オーストラリア政府はいかにして公務の魅力を高めているか~公務が選ばれる雇用者となるために令和5年度人事院国際講演会

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