不祥事の防止に向けて-○ 三 四 われた。在外日本国大使館において、同大使館の金庫に保管していた公金等を私的目的で借用しては返却するとの行為を繰り返し行っていたとして、外務省職員一人に対して免職処分が行われた。また、同大使館の出納官吏であった外務省職員一人に対して戒告処分が行われた。処分の種類別にみると、免職一二人(前年比五人減)、停職五七人(同八人増)、減給一一〇人(同八人減)、戒告六一人(同一一人増)となっています。処分事由別にみると、全体では公務外非行関係が七七人(三二・一%)と最も多く、次いで一般服務関係七一人(二九・六%)、交通事故・交通法規違反関係三七人(一五・四%)、通常業務処理関係三〇人(一二・五%)、公金官物取扱関係九人(三・八%)の順となっています(表2参照)。公務に対する国民の期待と信頼を確保し、行政の円滑な運営を図っていくためには、職員が国民全体の奉仕者としての使命を自覚し、厳正な規律と高い倫理感を保持しつつ、その職務に精励することが何より肝要です。また、不祥事が発生した場合には、各府省等において、速やかにその事実関係を把握した上で懲戒処分を行うなど、厳正に対処し、併せて具体的な再発防止策を講じていくことが重要と考えています。人事院としても、国民全体の奉仕者としての服務・懲戒制度全般の趣旨の徹底のための取組として、懲戒処分を行うに当たっての参考に供することを目的とした懲戒処分の指針や懲戒処分の公表指針を策定しております。また、本府省及び地方支分部局等の服務・懲戒事務担当者を対象に服務・懲戒制度の説明会を例年実施しており、令和五年度においては、前年度と同様、テレワーク勤務の拡大を踏まえ、説明会等の実施に代え、音声解説付きの服務・懲戒制度説明資料の配付を通じ、制度の周知徹底を図ったところです。これらのほか、幹部職員を対象とした、組織統括者としての役割認識の徹底を図るための研修の実施、各府省等における研修等に資する新規採用職員・中途採用職員向けの義務違反防止ハンドブックの作成・配布、eテムを活用した服務・懲戒制度研修の実施など様々な取組を行ってきたところです。国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程の遵守に向けては、国家公務員倫理審査会において、広く地方機関に勤務する職員をも対象とする有識者Web講演の実施、双方向型の研修の提供、倫理法等遵守を実践させるための各種教材の作成・提供などを行っています。加えて職務の相手方となる事業者や国民に対して、各府省から所管業界等へのアプローチを活かし、倫理規程の内容や倫理保持の取組に関するPRを進めるなど、研修・啓発活動の充実・強化に取り組んでいます。引き続き、各府省等において、職員の服務規律の確保と違反に対する厳正な対応が行われるよう、中立公正な人事行政の専門機関として、服務規律徹底のための取組を実施してまいります。ラーニングシス25
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