人事院月報 2024年5月号 No.897
33/40

Wnter Wonderland」で、地球上の地表ater 渡米後に参加したサマースクールの最初の授業で講師から投げかけられたのは「アメリカといえば何か。」という質問でした。参加者の答えは自動車、ハリウッド映画、ハンバーガーなど様々でしたが、自国の社会や文化と差異がありそうな分野をイメージするという点は共通していました。私も渡米直後は日本との違いに目が行きがちでしたが、ひとたび違う州に行くと、同じ米国でも州ごとに特徴が大きく異なることに気づかされます。今回は私が生活するミシガン州を御紹介するとともに、生活の中で印象に残っていることや学んだ内容を中心にお伝えします。米国では州ごとに公式な愛称があり、自動車のナンバープレ―トにも記載されています。ミシガン州の愛称は「W淡水の約二割を占める広大な五大湖に囲まれた豊かな自然と長く美しい冬を表しています。同州は米中西部の北端に位置しており、五大湖のうちスペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖の四つに囲まれ、北と東は湖を挟んでカナダと国境を接しています。州を構成するアッパー半島とロウアー半島の間は湖の海峡によって隔てられており、両半島は全長八キロに及ぶ巨大なマキナック橋でつながっています。橋の近くに浮かぶマキナック島は州内一の人気観光地で、島内での自動車使用が禁止されているため、馬車で島を巡ります。州の人口が集中するロウアー半島は地形がミトンの手袋に似ていることから、現地の方に地理を訪ねると、一様に自分の手を半島に見立てて位置関係を説明してくれます。高緯度ですが日本と同様に豊かな四季があり、夏は湖水浴やカヤック、秋にはアッパー半島の美しい紅葉、冬にはマイナス二〇℃の雪景色があり、一年を通じてアウトドアの人気があります。州の最高標高は六〇〇メートルしかなく、降水量の多い広い平野で様々な作物が栽培される農業の盛んな地域でもあります。日本との関係では、琵琶湖を擁する滋賀県と半世紀以上前から姉妹協定を結んでおり、双方の使節団が派遣されるなどの交流があります。また、五大湖周辺は米国の製造業勃興の地であり、はじめにミシガン州 行政官長期在外研究員(人事院) 齊藤 駿介i 2023年7月から米国ミシガン大学で公共政策を勉強している筆者が、大学のあるミシガン州の特徴や留学中の日常生活を通じて学んだことを中心にお伝えします。海外事情31(ミシガン大学公共政策大学院)第3回米国留学レポート

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る