トルには、ユーラシアプレートの下にフィリピンプレートが沈み込んでいる、「南海トラフ」と呼ばれる区域が存在しています。この付近でマグニチュード八~九クラスの地震が今後三〇年以内に七〇%程度の確率で発生すると言われています(地震調査研究推進本部)。太平洋に面し、四方を海に囲まれ、さらに、急峻な山地がおよそ八割を占める四国では、地震による津波浸水被害及び土砂災害に備え、国や地方公共団体の機関、経済団体、ライフライン事業者、学識経験者などを構成員とする「四国南海トラフ地震対策戦略会議」において、「四国地震防災基本戦略」が推進され、防災体制の万全な確保が図られています。備事務所において、津波の防護対策について、高知新港における防波堤延伸整備の状況や構造の改良の様子を視察させていただく機会を得ました。常に危機感や高い使命感を持ち国民の安心・安全を守るため活動する国家公務員の役割の重要性について、認識を深めることができました。四国の南、太平洋の海底約四、〇〇〇メー昨年、四国地方整備局高知空港・港湾整次に、四国四県に目を向け、四国を代表する伝統的文化、四国八十八ヶ所霊場巡りをご紹介します。「お遍路」は、西暦七七四年、現在の香川県善通寺市で生誕された弘法大師(空海)(令和五年は生誕一二五〇年記念の諸行事が各地で執り行われました)が修行したゆかりの寺院など、その足跡を巡礼する修行僧が増えていき、江戸時代になって一般の人々にも広まり現在の形になったものと伝えられています(諸説あります)。筆者お遍路デビューはあいにくまだですが、うるう年である今年、令和六年は、「逆打ち」と言い、一番札所からではなく、八十八番札所から巡ることで、通常(一番から巡ることを「順打ち」)の三倍のご利益、功徳を頂けると言われている年です。各旅行会社は逆打ちツアー」集客に大きな期待を寄せています。令和二年のコロナ禍においてはいくつかの寺の納経所も閉鎖されたとのことですが、新型コロナ五類移行後でもある今年は例年より多くのお遍路さんに出会えることでしょう。約一二〇〇年の長い歴史を持ち今日まで継承されてきたこの文化は平成二七年日本遺産として認定されましたが、四国四県の自治体や経済団体などで作る「四国遍路世界遺産登録推進協議会」が「四国遍路」の世界遺産登録に向け様々な活動を行っており、また、キリスト教巡礼路の世界遺産登録を持つスペインとも交流しながら、四県は様々な取組を続けています。四国発信で、日本を代表する歴史文化遺産の一つとして、世界に向けてアピールできる日が来ることを祈っています。東京に生まれ育った筆者が抱いていた四国に対する距離感を一気に縮めた歴史上の出来事が二つあります。江戸時代、徳川御三家の一つ、常陸水戸藩の藩主徳川頼房の長男松平頼重が、初代などを企画し、・・・四国といえば、八十八歴史のつながり「お遍路さんが身支度を整えられる更衣室(高松空港到着ロビー)34
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