人事院月報 2024年7月号 No.899
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 在ウィーン国際機関日本政府代表部二等書記官 永峯かりん私は現在、人事院から外務省への出向で、在ウィーン国際機関日本政府代表部に勤務しています。代表部はウィーン国際センターから徒歩圏内で、担当機関である国際連合工業開発機関(UNIDO・ユニド)の会合や国際機関職員との打合せなどに便利な場所に位置しています。ウィーンには約一〇の国際機関及び国際規制レジームが本拠を置いており、ニューヨーク、ジュネーブに次ぐ第三の国連都市と言われています。福島第一原子力発電所のALPS処理水に関連して日本でも話題になることの多い国際原子力機関(IAEA)、核実験禁止を担保する包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会、薬物・犯罪・国際テロリズムなどを所掌する国際連合薬物犯罪事務所(UNODC)などが所在しています。私の主な担当は、途上国における産業開発を専門とするUNIDOの関連で挙げると、主に①UNIDOが加盟国に向けて開催する会合に出席し、日本の立場を適切に表明するための情報収集を行うこと、②日本が拠出するUNIDO事業が適切に実施・広報されるようUNIDOや現地の日本大使館等をサポートすることです。①の中でも、予算委員会は主要ドナー国日本にとって重要な会合と位置付けられています。着任の翌月に控えていたため着任直後から、UNIDOや予算に関する初歩的、あるいは素朴な疑問、会合での他国の外交官の発言の趣旨など、〟分からないこと〝に恵まれ、それらを一つずつ解決していくことで、自分の業務に対する理解が深まっていく実感がありました。UNIDOは二か年予算であることから会合の重要性に軽重はあれ、予算委員会は毎年行われます。二〇二四年六月開催の予算委員会に向けた非公式ワーキンググループは、本原稿執筆時点の五月現在、既に始まっており、今回は日本(同僚)とパキスタンが共同議長を務めています。先日は日本が司会でしたので、同僚に当ててもらい第三の国連都市ウィーンUNIDO担当業務についてUNIDOの予算委員会対応  〜人事院から在ウィーン国際機関日本政府代表部に出向して得られた気づき〜海外事情24第三の国連都市ウィーンで働くということ

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