人事院月報 2024年7月号 No.899
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連する民間企業勤務歴、語学、学位に関する要件などが課されます。こうしたキャリアセミナーに参加された方の中から一人でも多くの方が、国際機関就職に向けて本格的にキャリアを構築する契機となればと願って開催しています。ジュネーブ国際機関日本政府代表部のJPO・国際機関人事制度担当者と、ウィーンでご活躍されている元JPOのお二方のご協力を得て、ウィーンのJPOを対象とした勉強会を開催しました。JPOは原則二年間という限られた期間の中で、自身の所属部署、機関に限られることなく、国際機関での正規採用を目指すことが求められています。他の機関のJPO、正規職員の状況を知ることで、ウィーンのJPOの今後の活動に良い影響があればと願って開催しています。各種媒体が実施するそうした類いのランキングでも上位をキープしています。私がウィーンに到着したのはコロナ禍の二〇二同キャリアセミナーの二日後には、在ウィーンは住みやすい街として知られ、一年九月でしたが職務復帰までの一年半ほど、配偶者同行休業制度を利用しました。初めての海外生活ということもあり、同行休業中は、日々の生活に追われていましたが、そんな中でも住みやすい街といわれるゆえんを垣間見る機会が多々あったので、本稿の締めくくりとして、同行休業中の生活の一部をご紹介したいと思います。当地には、人文・社会学系を中心に多くの学部を抱えるウィーン大学のほか、ウィーン工科大学やウィーン経済・経営大学などが所在しており、良いタイミングだと感じたため、ウィーン経済・経営大学の経済学修士コースに在籍しました。オーストリア国内の学生と留学生の割合、男女の割合がいずれも半々とのことで、学部生時代を懐かしみながらも、それとは異なる多様な学生の中で勉強できたことは幸運でした。こうした多様性は至る所で体感しました。子どもの幼稚園のクラスもおよそ半分はオーストリア人で、残りは様々な国からきているようでしたが、ウィーンが長いオーストリア人からはウィーンの街・人の魅力を感じ、ウィーンに来たばかりの学生や家族とは異国の地で誰しも感じる苦悩を分かち合えた気がします。加えて、母親が国際機関で、父親が在宅勤務、あるいは退職後当地で修士号取得、就職した家族など様々な家族との交流があり、大学院や日常生活の中で、陳腐な表現ですが、「みんな違ってみんな良い」という大らかな気持ちで過ごすことができました。(ながみね・かりん)世界で最も住みやすい街ウィーンウィーン経済・経営大学ウィーンで初めてできた友人、家族と(筆者は左から三番目)27

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