人事院月報 2024年7月号 No.899
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SNS運用の第一歩は、ターゲットオーディエンスを明確にすることです。ターゲットオーディエンスとは、伝えるべき相手のことです。当たり前ですが、どのような人々に向けて発信するのかを理解することで、適切なコンテンツを作成し、効果的にコミュニケーションを図ることができます。ターゲットオーディエンスの年齢、性別、興味関心、行動パターンなどを分析し、理解しておくことで、そのニーズに合ったコンテンツを提供できるようになります。このような順序立てが基本になります。例えるなら、弓で矢を射るときに、的は何なのか、的の大きさ、的までの距離、動くのか、静止しているかを把握してから矢を放つと思います。しかし、それができていないSNS発信が多いのです。大多数に対して、台の上からメガホンで呼びかけても、なかなか伝わりにくいのと同じです。投稿自体が目的となりがちなSNSですが、投稿することは一つの手段ですので、誰に何を伝えたいのか、つまり、その先に何を得たいのか、という部分が定まっていないと、無駄な投稿になってしまいます。ひいては相手にされないアカウントになってしまいます。計画的な投稿の仕込みには、コンテンツカレンダーの作成が不可欠です。コンテンツカレンダーとは、どのタイミングでどのような内容を投稿するかをあらかじめ決めておくスケジュール表のことです。これにより、一貫性のある発信が可能となり、フォロワーとのエンゲージメントを高めることができます。実は、このコンテンツカレンダーを設定する部分、投稿の設計の根幹になりますが、この部分こそが、担当者の時間的リソースが最も掛かると言われるポイントです。投稿ボタンを押すのは一瞬です。しかし、この投稿の準備こそがアカウントの肝になる部分です。一見、楽しそうに見えるSNS運用の作業でも、重圧のなかで孤独にコツコツとコンテンツカレンダーに向き合っているSNS担当者が多いのも事実です。もし周囲でSNSの担当がいたら、「こういう面白い投稿があったよ」などの投稿のネタの提供や、アイデアを明るく伝えてターゲットオーディエンスの理解コンテンツカレンダーの作成 SNS運用には、計画的な投稿の準備と、コンテンツが欠かせません。 多くの組織がSNSを運用している中で、埋もれないためには、基礎をしっかりと理解し、実践することが重要です。 本コラムでは、連載形式で、SNS運用の基礎と秘訣について詳しく解説します。コラム人事院 広報プランナー洞田貫 晋一朗28SNS運用の基礎と秘訣①〜ターゲットを意識して物語性を駆使する〜

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