人事院月報 2024年7月号 No.899
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委員が座長に選出された後、人事院総裁から森田座長に対して以下の内容が諮問された。公務を取り巻く環境が大きく変化し続け、不確実性を増していく時代にあっては、これまでの延長線上での対応では公務員人事管理の課題に対する解を見いだすことは困難である。また、優秀な人材を公務に誘致するためには、社会情勢の変化やデジタル化が更に進展し、人材戦略の重要性が増大する新たな時代を見据え、国家公務員の在るべき姿などについて明らかにするとともに、人材マネジメントのグランドデザインを構築することが急務となっている。そのためには、公務員人事管理の在り方について、聖域を設けることなく骨太にかつ課題横断的に議論する必要がある。抜本的なアップグレードを実現し、多様で有為の人材を確保・育成するために、人事行政・人事管理の在り方に関し審議し、提言することを求める。人事行政諮問会議の開催に当たり、森田これを踏まえ、公務人材マネジメントのまた、本会議事務局から、公務を取り巻く状況を説明した後、委員から、公務をめぐる諸課題や採用・処遇・働き方といった公務員人事管理に関する問題意識の共有及び意見交換がなされた。第一回で各委員から示された課題意識の下、今後の会議において、以下の四つのテーマに分類し議論を深めていくことで一致した。① 国家公務員の在り方及び国家公務員に対する規律② 処遇も含めた、戦略的人材確保の在り③ 多様な属性の職員が生き生きと働き続けられる環境整備の在り方④ エンゲージメント向上につながる評価・育成の在り方続いて、一つ目のテーマである「国家公務員の在り方及び国家公務員に対する規律」について議論が行われた。現在の公務組織において組織マネジメント面に課題が生じていること、経験者採用などによる多様な背景を持つ職員の増加や共働き世帯の増加等、国家公務員の属性が多様化しており、適切なマネジメント行動が必要となること、さらに、複雑・高度な行政課題への対処に当たって職員の自律的な思考や行動を促すことが求められること、といった課題認識を踏まえ、現行の行為規制のみならず、望ましいマネジメント行動も含めた「個々の国家公務員に積極的に期待される行動」の明確化等について、委員間で意見が交わされた。二つ目のテーマである「処遇も含めた、戦略的人材確保の在り方」について議論が行われた。試験申込者数が減少傾向に、若年層を中心とした離職率が増加傾向にあり、人材のターゲットごとに課題要因を特定して求める人材を安定的に充足させる方策を講じていくことが急務であること、採用関連制度・運用の改善に加えて、人事制度・運用全体について、人材確保に資するよう総合的な対応を図ることが求められること、といった課題認識を踏まえ、今後ど① 第一回(令和五年九月二五日)第二回(令和五年一〇月三〇日)② ③ 第三回(令和五年一二月五日)05方

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