人事院月報 2024年8月号 No.900
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の中の多様性だけではなく、基底材においても異素材の調和を試みたいという思いから、職人さんなどと相談して念願叶った作品です。から描かれている題材を選び、竹取物語にちなんで、タイトルを『竹取の』としました。るものの、連作として同時期に描いたものです。ニューヨークでの個展を終えて最初に日本で取り組んだ作品だったため、大作ではないものの特に印象に残っています。私にとってとても大きな変化のあった後でした。二〇二〇年三月に一一年間勤めた大作品のテーマとしては、竹雀という古くこの二点の作品は別々に所蔵されてはい実はニューヨークで個展をした時期は、学の研究室を任期満了で退職し、その後すぐにコロナ禍が始まり多くの展覧会がキャンセルになりました。そして八月には二〇年間落選したことがなかった院展の落選を経験しました。そういった今まで当たり前だと思っていたこと全てが、突然目の前からなくなったのです。私が個展を開催した時期は、デルタ株がちょうど流行りだした頃で、日本では東京オリンピックが開催され、私はまだワクチンも接種していませんでした。ぎりぎりまで渡航を悩みましたが、海外での個展など何度もできるものではないと、長年出品していた院展を休んで、二〇二一年の七月の二週間、ニューヨーク滞在を決めました。正直最初は、ニューヨークという場所にそれほど期待していませんでした。「ただの大きな街だろう。」その程度の認識でした。しかし、実際に滞在してみてその印象は覆されました。そこには日本とは比べものにならないほどの巨大なアート市場があり、多くのギャラリーが立ち並んでいました。展示されているアートワークも展示方法も日本とは大きく異なっていました。多分この時感じた印象は、コロナ禍という特殊な状況下、二〇年間で初めて院展の出品を休んだ解放感という名のスパイスが大きく影響したとは思います。ただこの環境、解放感、アートへの考え方の違いは私の中で強烈な印象として刻まれたのです。そして描いた作品がこれら二つの作品です。一度持っていたものを手放したことで見つけた新しい気付きが、新しい自分の発見のような気がして、再生を意味する蝶をモチーフに選びました。金魚と人物を組み合わせた作品はこれま1月号Explore覚醒/確信令和3年11月1日発行(毎月1日発行) 通巻第867号人事院867_H1_H4_cs6.indd 1令和3年1月1日発行(毎月1日発行) 通巻第857号人事院857_H1_H4_cs6.indd 1令和3年10月1日発行(毎月1日発行) 通巻第866号人事院866_H1_H4_cs6.indd 120212021No.867寄 稿           慶應義塾大学総合政策学部教授 清水 唯一朗インタビュー2021月号11魅力ある公務に進化するために新しい行政の情報発信 ~農林水産省公式YouTubeチャンネルBUZZ MAFFを取材しました~ 月号10公務員関係情報誌21/10/21 13:3720/12/23 17:4321/09/24 9:45公務員関係情報誌No.857巻 頭 言人事行政報告公務員関係情報誌No.866特 集寄 稿株式会社日本能率協会総合研究所  海津 忠宏講演紹介Deportare Partners代表  為末 大令和の時代の人事行政事務総長 森永 耕造日々現場で奮闘される公務員の皆さまへ~国家公務員倫理審査会会長・委員からのメッセージ~国家公務員倫理審査会事務局国家公務員健康週間に当たって公務職場の魅力と課題を考える ~国家公務員の意識調査データを通して~ハードルを越える(後編)「確信」「竹取の」「覚醒」09人事院月報人事院月報人事院月報

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