人事院月報 2024年8月号 No.900
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大阪生活二年目近畿事務局畿事務局に異動して、一年余りが経ちました。採用されてからこれまで、二度の出向中も含め、霞ヶ関・永田町界隈でしか勤務したことがなかったので、採用三〇年という節目に、大阪勤務という機会が巡ってきたのは、かなり新鮮な気分に感じられ、よい意味でリセットされた状態で、大阪に向かったことを思い出します。は一見にしかず」で、やっぱり来て経験してみないと分からないものであるということを改めて感じました。地方事務局の業務というものも、人事院本院で勤務していても、ある程度想像できていると思っていたのですが、いざ実際に勤務してみると、中に入って見てみないと分からないことや、近畿事務局ならではの特有の事情があることなどを実感しました。早いもので、昨年(令和五年)四月に近一年余り経ってまず思うことは、「百聞また、大阪での生活も、同じ日本国内なので、何から何まで違うということはありませんが、習慣であったり食べ物であったり、特徴的なものがあります。ともすると誇張されて伝えられているようなこともありますが、実際に暮らしてみないと分からないような、むしろ日々の何気ないことの中に、違いを発見して面白く感じることがありました。今回の寄稿に当たっては、この近畿事務局や大阪生活で感じた様々な「違い」に焦点を当てて、話を進めてみたいと思います。近畿事務局では、総務課(総務係、研修係、職員企画係)、第一課(給与係、公平勤務係)、第二課(任用係、試験第一係、試験第二係)の三課体制で、二〇数名の職員が、各種業務に従事しています。他方、管内には、管区機関(数府県の地域を管轄地域とする相当の規模を有する地方支分部局)を始め、かなりの規模の国の機関が多数存在しており、職員数としても相当程度のものがあります。また、採用業務に密接に関連する学生に関しては、京阪神エリアを中心として、多数の大学が存在し、その中には非常に規模の大きい大学も複数存しています。このように、限られた当事務局の職員数で、管内における多数の国の機関の職員や学生の方々に向けて業務を行っていくことが求められており、この点の「違い」から、当事務局が置かれた環境としては、なかなか大変な面があります。しかしながら、こうした多くの方々に対して、能率的な行政運営や有為な人材の確保を図るために、様々な取組を行っているところです。例えば、管内の国の機関の職員を対象とした、役職段階ごとの研修や、各種セミナー・研修会を実施しています。これらについては、受講した方々の能力やスキルの向上ということが一義的な目的ではありますが、管内の様々な機関から集まって受講する参加者同士の交流の機会となるという点も、重要な意義を有しています。また、学生向けの人材確保のための活動では、公務に対する関心のきっかけ作りと地方事務局の今近畿事務局管内の紹介~近畿事務局や大阪生活で感じた様々な「違い」~33近畿事務局長近藤 明生

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