人事院月報 2024年8月号 No.900
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集 国家公務員安全週間に当たって 特やさ一〇年が経ちました。さすがに一〇年という月日の中で私自身の作品に対する思いや、考え方、向き合い方は、時に大きく、時に緩やかに変化していったと思います。今改めて表紙絵を担当した当初の作品を振り返ると、まだ作品に拙さやあどけなさが残っていて、少し恥ずかしいようなこそばゆい気持ちになります。この一〇年が私の成長の記録であってほしいと願う反面、絵というのは不思議なもので、うまく描ければ、必ずしも良い作品になるというものではないから厄介です。技術的に向上すると同時に、何かを失っているかもしれないという気持ちも湧いてきます。なったのは、まだ大学院の研究室で非常勤講師をしていた頃でした。恩師の宮みこ廻正明先生に呼ばれ、紹介していただいたのをよく覚えています。その頃はまだ、自分の作品が印刷物に使用されることなど経験した私が人事院月報の表紙絵を担当して、早人事院月報の表紙絵を担当することにことがなかったので、緊張しつつ身が引き締まるような思いとともに、心の中はうれしさで小躍りしていました。表紙絵を担当するに当たり、特に自分の中でルールは決めていませんでしたが、手に取った人がふと季節を感じ、穏やかな気持ちになる作品を選ぶことを心懸けようと思っていました。ここでいくつか記憶に残る作品を取り上げて振り返ってみようと思います。青色の紫陽花の絵は何度も取り組んだ作品の一つです。実はこの作品の着想は、二〇一一年に起きた東日本大震災で経験した計画停電から来ています。私の住んでいる地区は計画停電の回数が最も多かった地区でした。そしてある時、日が沈んだ後に計画停電が予定されていました。私は子供の頃、島根の田舎で夏を過ごしていたため、全く光のない漆黒の闇をよく知っているつもりでした。街灯のない山の中では、あぜ道と田んぼの境目など分からない闇が待っています。きっとそのような漆黒の闇に包まれるはずだと、毛布と懐中電灯、充電した電子機器などを準備して、来るべく計画停電に備えていました。そしていざ、計画停電が実施された際、真っ暗になるはずだった室内は、美しい青い月明かりに満たされたのです。あの時の美しい青い光を今でも忘れることができません。月光をテー6月号寄 稿日本画家月光の記憶/月ノ雫 染谷香理「ありふれた日常」のパラドックス 6月号公務員関係情報誌令和元年6月1日発行(毎月1日発行) 通巻第838号人事院838_H1_H4_cs6.indd 1インタビュー シリーズ コンプライアンスについて考える ~第8回~No.838「炎上」のメカニズムを考える国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員/講師 山口 真一201919/05/27 9:23平成26年6月1日発行(毎月1日発行) 通巻第778号No.778阿部 正浩中央大学経済学部教授〜ダイバーシティマネジメント〜                 〜各府省・内閣人事局・人事院との間で相互に意思疎通を〜     人事院778_H1-4.indd 214/05/23 9:19公務員関係情報誌2014寄 稿 我が国の労働市場の特徴と公務員給与インタビュー 日立製作所における女性の登用特 集 平成26年人事管理官会議総会を開催「月ノ雫」「月光の記憶」06人事院月報人事院月報

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