人事院月報 2024年10月号 No.902
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Invisible related fatigue: symptoms: 不調が復職後最も再発率(復職日から五年間で四七・一%)が高いのですが、がん、脳卒中、心筋梗塞などで復職後も、職場で一定の配慮があれば五〇%以上が就労継続できていました。ある①体力低下・疲労②メンタルヘルス不調③痛み(頭痛・腰痛など)に注意が必要です。特に体力低下(学術的にはCancer-く上で一番苦しい症状であり、白血病など、体の負担が大きい手術や抗がん剤治療を受けると体力低下を来しやすいことが知られています。そのため、就労継続の「鍵」は、就労に耐え得る体力をどのように回復・維持していくかですので、質の良い睡眠、栄養のある食事、積極的に運動するなど、生活習慣を改善していくことが重要です。がん患者さんの約三〇〜五〇%が睡眠障害を認めており特に中途覚醒が多い、メンタルへルスの維持も極めて重要になります。らず、メンタルヘルス不調や骨折(通勤途上や自宅等にて転倒による)に注意が必要であり、夕方以降、気力・体力・集中力などが低下しやすい傾向にあるので、復職直がんは、特に他者から気付きにくい症状脳卒中は、復職後、脳卒中の再発のみなCRF)は、がん患者が働隠れた症状)で()(後は短時間勤務や在宅勤務などが活用できると両立しやすいでしょう。今後、定年退職の年齢が六五歳から更なる高年齢になることが予想されている現代において、年齢と共に『病』や『老い』とともに働かざるを得なくなる方が増えていくことでしょう。特に四〇代以降、がんや脳卒中・心臓の病気や糖尿病などの内科疾患を治療しなければならないリスクは高まります。体力の衰え、更年期障害などによる症状(疲れやすさ、睡眠が浅くなる、ほてりや浮腫み、尿が近くなる、イライラなどの精神症状など)、老眼や白内障・緑内障などの眼科的な症状、肩こりや腰痛などの整形外科的な症状に悩まされることも少なくありません。働くことができる健康を保つためにも、①毎日の生活習慣を改善(「七時間以上のより良い睡眠」「禁煙」「節酒」「食生活(減塩・適正なカロリーなど)」「身体活動」「適正体重の維持」に努めて、②健康診断などで早期発見・早期治療を心掛けて、③『病』と『老い』とともに『人生一〇〇年時代』をみんなで生き抜いていこうという気持ちこそが一番大切なのではないかと思います。(えんどう・もとき)心疾患(約■■%)脳卒中(約■%)がん(約■■%)その他Profile遠藤源樹略歴:福井県大野市出身。医師、医学博士、労働衛生コンサルタント、産業衛生専門医等。産業医科大学医学部を卒業後、JR東京総合病院、NTT東日本専属産業医、東京女子医科大学医学部助教、順天堂大学医学部公衆衛生学講座准教授等を経て、現職。人事院健康専門委員、東京都がん対策推進協議会専門委員等兼務。厚労省「がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究」等の研究代表を務める。主な著書に「治療と就労の両立支援ガイダンス(遠藤源樹単著・労務行政)」など。土屋健三郎記念・産業医学推進賞、日本医師会医学研究奨励賞など受賞歴多数。心筋梗塞平均年齢■■■■歳フルタイム復職まで■■日フルタイム復職率(■年)■■■■■■復職後■年勤務継続率■■■■%脳卒中平均年齢■ ■■歳フルタイム復職まで ■■日フルタイム復職率(■年)■ ■■%復職後■年勤務継続率■■■■%■■■■%復職後■年の再病休率■■■■%  ■ %■■■■%疾患別の復職後の再病休率とその内訳再病休の内訳復職後■年の再病休率 ■■■%復職後■年の再病休率■■■■%復職後■年の再病休率復職後■年の再病休率再病休率復職後■年の再病休率■■■%復職後■年の再病休率 ■■■%復職後■年の再病休率がん平均年齢■■■■歳フルタイム復職まで ■■日フルタイム復職率(■年)■ ■■%復職後■年勤務継続率■■■■%メンタルへルス不調平均年齢■■■■歳再病休率脳卒中再発ff■■■■メンタルヘルス不調ff ■■■骨折等ff■■■■その他再病休率がん再発ff■ ■■メンタルヘルス不調ff■■■その他再病休率メンタルヘルス不調ff■■■■その他ff■■■依願退職率依願退職率図1011

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