道内で交通事故や鉛中毒等で負傷した希少な野生動物がいれば、そこに駆けつけて回収し、治療ができる環境省の野生生物保護センターに運んだり、また、希少な植物の保護増殖事業にも携わっていました。礼文島だけに自生するレブンアツモリソウというランの仲間の花があるのですが、盗掘や生育環境の悪化によって個体数が減ってしまったため、有識者や関係機関と話し合いを重ねながら、どのような対策が取れるのかを検討する取組も行っていました。華山地域を受け持つ、石巻自然保護官事務所に異動しました。自然保護官事務所は国立公園の管理を担う最前線の事務所です。そこでは、国立公園での開発行為に対するその後は、三陸復興国立公園の南三陸金 許認可業務や、環境省直轄施設の維持管理、「みちのく潮風トレイル」というロングトレイルの利活用の推進などに取り組んでいました。そして、現職である本省の国立公園課に異動してきました。〈国立公園課での仕事〉︱︱国立公園課ではどのようなお仕事をされているのでしょうか。[仲原]国立公園や国定公園は自然公園法という法律に基づいて指定され(注1)、公園ごとに公園計画を定めているのですが、この公園計画を変更する際には審議会に諮る必要があるため、その調整に関する仕事を主に担当しています。公園計画では、公園区域内の各地域の特性に応じて設定される保護規制と、登山道やキャンプ場等の公園を利用するための施設等が示されています。例えば、公園区域を広げたり、ある地域の規制を強化したり、また、利用のための施設を新たに設置するというような場合に、現地から上がってきた計画の変更案が、より望ましい公園となる適切な計画かどうかの確認や省庁間の協議手続きにも携わっています。︱︱現地に赴くことも多いでしょうか。公園計画の変更の際には、審議会で説得力を持って説明する必要があり、自分で内容を把握するために現地を確認するよう努めています。一泊二日で山に登りに行って登山道や山小屋、植生や自然景観を確認すレブンアツモリソウ(写真:環境省提供)みちのく潮風トレイル 田束山から(写真:環境省提供)沖縄ご出身の仲原さん。最初の赴任地は北海道でした。北海道時代は希少な植物を目指して山の中を歩くこともあったそうです。13
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