WFp(国連世界食糧計画)の課長などからのメールが、時間差で次々講師から配られました。メール内容は、それぞれ矛盾しており、皆で何が最善の対応案か見極める必要がありました。し、グループの対応方針の結論が出る直前に疑問を呈する役割を担うよう、指示を受けました。そこで、ある程度案がまとまったところで、「出勤不可能な職員にも、出勤しているとみなして通常の給与を支払う」という方針に対し、「出勤している他の職員のモチベーションが下がる、また、予算を分担する加盟国から苦情が出るのでは」と疑問を投げかけました。その後、再検討し、「給与でなく、手当を支給する」という案に変更になりました。疑問を呈する者がバイアスを正す役割を持つことを改めて理解しました。人間の認知には、バイアスが伴う傾向にあります。日常の議論でも、まとまりそうなところで出た疑問点には、「今頃言うのか」というのではなく、バイアスを見直すことの重要性を認識しました。【修了式】 休憩中、私は講師に呼ばれ、議論を観察議論の中に入り込まず客観的に観察し、最終日の朝、朝から晩までずっと一緒であったメンバーと別れる日が、ついに来てしまったと思いました。講義やセッションで新しい知識を得て、発表やスピーチを行い、終えてほっとするような、刺激的な日々が終わってしまう名残惜しさにもかられました。修了式は拍手喝采の中、一人一人、修了書を学長から渡される温かい式でした。その後のカレッジにおける最後のフォーマルディナーでは、一人ずつ、全員が感謝を述べました。終わってからも離れがたく、その日は夜中まで交流を深め、次の日も朝食会場で最後まで別れを惜しみました。この六日間のプログラムは、私自身の物事の捉え方、世界観を変えるほどの大きな影響をもたらしました。それらをこれからのキャリア人生においてどのように生かせるのか、まだその探索は続くことになりそうです。現時点でまとめると、次のようになります。● リーダーとして必要なのは、人間の特性、● インターネット・ガバナンスに関する課● 人を納得させたり安心させたりする場合● 一〇〇%経験と力を総動員した達成感①このプログラムから得たもの【認識】●世界や組織は、人で構成されていること文化、世界の課題を知ること●世界の公務の課題には共通点があること【世界の課題】●リーダーシップへの関心●ジェンダー関係の課題の大きさ●汚職、組織マネージメントに関する課題【スキルや知識】のスピーチの方法●人間の思考におけるバイアスの理解●偏りのない判断を行う方法やその重要性●効果的なコミュニケーション方法【個人で得たもの】●友情●コミュニケーションの大切さ●自信このプログラム開始前、オンラインでのセッションや事前課題などが次々送られてきたとき、この高いレベルのプログラムについていかれるだろうかと、不安を感じた時期3 所感題35
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