り、二〇二〇年の生産年齢人口(一五歳から六四歳まで)は七五〇九万人に対して、二〇六〇年には四七九三万人になると推計されており、日本の就労世代の人口が激減することが見込まれています。これからの時代は、ますます、女性、シニア、外国人が働かないと成り立たない社会になっていくと考えられます。るがんなどの病気を治療しながら働くシニアの労働者の増加、②メンタルヘルス不調の増加、③医療の進歩によるがん・脳卒中等の生命予後の改善、職場復帰できる患者等の増加など、大きく変化しています。ていきます。病や老いと共に生き働くこと、つまり治療と仕事の両立は、これからの日本社会の必須の課題と言えるでしょう。日本は少子高齢化が急速に進行してお現在の日本は、①定年年齢の引上げによ人は生きている中で必ず病になり、老い仕事を休まず、定年まで働き続けていくために、どんな病気の予防に気を付けなければならないのでしょうか。遠藤らが行った「大企業病休実態調査」によると、医師からの診断書に記載されている病休に至った原因疾患(『働けなくなるリスク』)の第一位は「メンタルヘルス不調」、第二位が「がん」、第三位が「脳卒中」、第四位が「心筋梗塞」、第五位がほぼ同じ確率で「腰痛」と「けが等」でした。つまり、仕事を休まず、定年まで働き続けるためには、メンタルヘルス維持とがん予防が重要と言えます。メンタルヘルス不調による病休の平均年齢は四一・四歳、がんが五一・七歳。脳卒中が五二・〇歳。つまり、現役世代はメンタルヘルス維持に注意1. 『社病会』と『老い』と共に働く日本2.『 働メけンなタくルなヘるルリスス不ク調が』と高『いがのんは』寄 稿一般社団法人東京産業医学情報センター所長遠藤源樹 治療と仕事の両立~人生一〇〇年時代を、「病」と「老い」と共に生きる~出典「令和4年度 情報通信白書」(総務省)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html(大企業病休実態調査研究遠藤源樹ら)図1図2日本の年代別人口の推移『働けなくなるリスク』が高い疾患『働けなくなるリスク』が高い疾患第1位メンタルヘルス不調約 ■■人の組織:毎年■人、メンタルヘルス不調による病休第2位がん■約■■■人の組織■毎年■人、がんによる病休約■■人の組織■■■■■年に■人、がんによる病休第3位脳卒中約 ■■■人の組織:毎年■人、脳卒中による病休社員が、仕事を休まず、定年退職まで、ずっと働いていくためには、メンタルヘルス維持とがん予防が最も重要。07
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