三 定年引上げ期間中の暫定再任用制度運用の課題[令和4年度][令和5年度]れた者の九一・八%がフルタイム勤務となっています。民間企業の再雇用制度ではフルタイム勤務者の割合が非常に高くなっています。(図2)令和五年四月から、定年の段階的な引上げが開始され、令和五年度及び令和六年度の定年年齢は六一歳、令和七年度の定年年齢は六二歳となります。定年の引上げにより、六〇歳を超えた者も再任用職員としてではなく、常勤職員として引き続き定年まで勤務することが可能となり、その期間も徐々に拡大していきます。これに伴い、再任用制度は廃止されましたが、定年が六五歳になるまでの間は、定年から六五歳までの任用が可能となるよう、経過措置として、従前の再任用制度と同様の仕組みである暫定再任用制度が措置されています。暫定再任用制度に関しても、「国家公務員の定年引上げに向けた取組指針」(令和四年三月二五日人事管理運営協議会決定)により、平成二五年三月の閣議決定に準じて、公的年金支給開始年齢に達するまで再任用希望者を原則としてフルタイム官職に再任用することとされています。暫定再任用職員全体のフルタイム勤務職員の割合は改善傾向にあり、短時間勤務職員の勤務時間は、フルタイム勤務に近い週四日勤務への移行が進んでいます。しかし、最も多く適用されている行政職俸給表㈠の暫定再任用職員が就いているポストを見ると、定年前より下位の官職で暫定再任用される者が多数を占めており、職員の能力及び経験を十分にいかしきれていない状況となっています。定年の段階的引上げにより、暫定再任用の対象者の範囲は徐々に縮小されていきますが、引き続き高齢層職員の能力及び経験を本格的に活用することは不可欠であり、人事院としては、定年の引上げを円滑に進める観点からも、暫定再任用職員の能力及び経験をいかすための取組が引き続き重要と考えます。併せて、定年の段階的な引上げに関する諸制度が円滑に実施されるよう各府省向けの制度説明会の開催やQ&Aを含めた情報提供などの取組を行っていきます。図5係員級(1級)0.2%係員級(1級)0.2%(注)令和4年度は、国家公務員法等の一部を改正する法律(令和3年法律第61号)による改正前の再任用の状況を表す。主任又は係長級(2,3級)68.3%主任又は係長級(2,3級)67.4%専門官級以上(4級以上)31.5%専門官級以上(4級以上)32.4%暫定再任用職員の就いているポストの割合【行政職俸給表(一)】15
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