人事院月報 2024年11月号 No.903
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共和国の一つでしたが、一九九一年に独立を宣言しました。独立当時は「キルギスタン共和国」という国名でしたが、一九九三年に現在の「キルギス共和国」に国名を変更しました。日本は、一九九一年一二月に国家承認し、翌一九九二年一月には外交関係を樹立しました。か、ウズベク系、ロシア系など多様な民族国民の四分の三はキルギス系で、このほで構成されています。キルギス人の風貌は日本人とよく似ており、「キルギス人と日本人の先祖は同じでエニセイ川周辺に住んでいて、魚が好きな人が東に行って日本人となり、肉が好きな人が西へ行ってキルギス人となった」という逸話をキルギスの人から聞くことがよくあります。チュルク語系のキルギス語を「国語」とし、ロシア語も公用語とされています。二〇二三年のGDPは一二七・八億米ドル(IMF推計値、一人当たりGDPは一、八四三米ドル(IMF推計値)となっています。主要産業は、農業及び畜産業、農畜産物の食品加工業、金採掘を中心とする鉱業です。中央アジアでも河川の上流に位置するので、雪解け水による水資源は豊富です。豊富な水資源を利用して、電力の八割は水力発電によって賄われていますが、施設の老朽化が課題とされています。また、近年の気候変動により氷河の融解などの影響を受け、水資源の管理、土石流などの災害対策も重要課題となってきています。日本との貿易は、財務省貿易統計によると、二〇二三年の日本からキルギスへの輸出は三七・七億円、キルギスからの輸入は二・九億円です。主な輸出品は、車両用内燃機関、エキスカベーター、ゴムタイヤ及びチューブ、自動車部品です。主な輸入品は、電気機器、金属鉱・くず、蜂蜜です。キルギスでは、JICAの支援により「一村一品」(OVOP)プロジェクトが展開されており、地域の住民がその地域での特産品を製品化して現金収入を得る機会としています。OVOP商品の「白い蜂蜜」や羊毛フェルト製品は日本でも見かけることがあると思います。日本の支援の重点分野である人づくりの施策として特筆すべきものが「人材育成奨学計画」(JDS)です。これは、公務員を日本の大学院に派遣して修士号・博士号を取得させるプロジェクトです。JDSを修了した人たちはキルギスで政府の主要ポストに就いており、大臣を二人、次官を多数輩出しています。〈政治体制〉政治体制は、大統領制を採っています。現在の大統領は、サディル・ジャパロフ大統領です。二〇二〇年一〇月に実施された共和国議会議員選挙において、当時のジェエンベコ)年齢男性(出典:キルギス国家統計委員会)(出典:キルギス国家統計委員会)女性人数キルギスの年齢階層別人口構造(2023年)キルギスの年齢階層別人口構造(■■■■年)17

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