人事院月報 2024年11月号 No.903
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〈 行政制度の改革・公務員人事制度のフ大統領を支持する与党が全体の九割の議席を獲得した選挙結果に対して、これを不服とした野党勢力が不正を訴えて大規模集会開催を呼びかけて騒乱が発生し、中央選挙管理委員会は選挙結果を無効と宣言しました。追ってジェエンベコフ大統領は辞任しました。翌二〇二一年一月に、大統領選挙及び政治体制を大統領制とするか議会制とするかを問う国民投票が実施され、ジャパロフ候補が大統領に選出されるとともに、政治体制として大統領制が選択されました。同年四月には憲法改正案の是非を問う国民投票が実施され、改正案が承認され、大統領の署名を経て五月に新憲法が制定されました。人と定められており、選挙制度は比例代表制(五四議席)・小選挙区制(三六議席)の並立制が採られています。〈ジャパロフ大統領訪日〉妻は、公式実務訪問賓客として日本を訪問しました。ジャパロフ大統領は岸田総理と首脳会談を行い、二国間関係並びに地域的及び国際的問題について協議を行いました。共和国議会の議員定数は憲法により九〇二〇二三年一一月にジャパロフ大統領夫両首脳は、二国間関係を包括的パートナーシップに格上げすることを決定しました。改革〉二〇二一年の大統領令第四三五号により策定された「二〇二六年までの国家発展計画」において、国の発展のための中核として公務のマネジメント改革がうたわれており、非効率な旧弊システムを打破し内外の環境の要請に応える新しいシステムへの改革が提起されています。同計画では、行政府は、社会の利益のために奉仕し、流動性及び専門性を有し、喫緊の課題を迅速に解決することが必要であり、応答性、公開性、効率性及び規制への必要に基づいて構築されるべきものとされています。行政機構は、専門的機関となることが求められています。公務員人事の関係では、成績主義の原則が確認されています。人事は、専門性、廉潔性、年功及び職務経験を考慮に入れて行われるものとされています。政治任用ポストを含む政府の高位官職の候補者には高い資格要件が求められ、有資格者をリザーヴした候補者名簿からの任命原則も活用することとされています。また、国民に対する平等取扱いの確保も要求されています。候補者名簿への登載は、専門性を考慮の上で、成績主義に基づき行われることとされています。給与の統一性は維持する一方で、成績の良い公務員に対してはボーナスや手当を支給することも考慮対象とされています。世代交代により行政サービスが円滑に継続することへの配慮も指摘されています。研修による職員の能力強化も提唱されています。同計画では、公務のマネジメント改革において、行政のデジタル化も要求されており、「データに基づく政府」が追求されています。この国家発展計画の下で、二〇二三年二月の大統領令によって、「キルギス共和国における二〇二三―二〇二五年の人材開発と形成のための国家戦略」が策定されました。この戦略は、社会に対して良心的なサービスを行うとともに国家の目標及び機能を高い品質で実施することに焦点を当てて、専門的な公務員の効果的な人事制度を定めるために策定されたものです。同戦略では、公務員の能力を高めるための措置を定めるとともに、採用及び昇進に関する統一的手続きを通じて公務への任用における国民の平等な権利を保障するとされています。18

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