資産運用はなぜ必要か二〇二四年から、NISAと呼ばれる非課税で資産運用ができる制度が新しくなりました。また、公務員の個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金上限額が一二月より月額一・二万円から二万円に引き上げられます。政府も「資産運用立国実現プラン(二〇二三年一二月取りまとめ)を発表し、本年六月に進捗を確認するなど、環境の整備を進めており、金融商品の取引市場の動きに注目している方も多いのではないでしょうか。二〇二四年三月に公表された令和五年度の「退職公務員生活状況調査」(人事院)でも、「定年退職前にもっと知っておけば良かったと思うこと」という質問事項に対して、四四・六%が「資産運用に関する情報」と回答しており(複数回答)、令和二年度の三五・〇%と比べ、資産運用への関心の高まりがうかがえます。今回は、「資産運用に興味はあるけれど、どのように始めたらよいのか分からない」「損をするのが怖くて、挑戦できない」など、まだ資産運用を始めていない国家公務員の方向けに、証券会社選びや、投資商品を選ぶポイントなどをNISA制度を中心に専門家に解説していただきました。なお、投資に当たっては税制や、金融商品取引法等の各種法令・各府省の定める内規等にご留意ください。また、本省審議官級以上の職員は国家公務員倫理法第七条(株取引等の報告)にもご留意ください。ご不明点がある場合は、ご所属の府省等の担当者にお問い合わせください。まずは、資産運用とは何か、そしてなぜ必要なのかについて、チェックしていきます。資産運用とは、株式や投資信託、債券と呼ばれる金融商品を購入して保有し、自分のタイミングで売却することを指します。安い値段で購入し、高い値段で売ることができれば、売却益(キャピタルゲイン)を得られます。また、商品を保有している間に、配当金や分配金(インカムゲイン)を受け取ることも可能です。お金をタンス預金としてただ保有しているだけでは、お金は増えません。また、現在は利率が低いため、お金を銀行の普通預金の口座に入れておいても、ほとんど増えまコラム 下中英恵FP事務所 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 下中 英恵26〜初めて資産運用を考える国家公務員の方へ〜資産運用の始め方とポイント
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