炎上とは持続的な成長を目指して洞■■■■■田貫 晋■■■■■■一朗人事院 広報プランナー自己紹介文:2006年森ビル株式会社入社六本木ヒルズの展望台、ギャラリーの企画、運営、広報などを担当、総SNSフォロワー80万を抱える森美術館のマーケティング担当を経て現職。SNSマーケティングを組織に積極的に取り込むとともに、多様なターゲットに広くリーチするSNSの運用方法を研究、SNSの運用についてセミナー講演も多数。Forbes JAPANが選ぶトップインフルエンサー50に選定(森美術館・2019年)。著書 『シェアする美術 森美術館SNSマーケティング戦略』(翔泳社)件をいくつかクリアすると起こります。いずれも、投稿初期のタイミングで、いいね、シェア、コメント、フォローなどのアクションが立て続けに発生することで、システム側で「この投稿は良い投稿である」と認識されて、大量拡散が起こります。ていましたが、最近では、動画でないと、この拡散は難しくなってきています。とんど無縁であるのが特徴です。ただし、システムの要件をクリアしようと、テクニック重視の投稿に傾倒してしまうと、投稿内容自体がつまらなくなり、結果的にアカウントがユーザーに飽きられてしまうリスクもあります。なコメントや批判が急増し、投稿者に対して攻撃的な反応が集中する現象です。炎上の原因は、誤解を招く表現、不適切な発言、感情的なコメントなど様々です。SNSに起因しない不祥事でも起こります。炎上は、場合によっては法的な問題や長期的なブランドイメージの低下を引き起こす可能性が以前はこのシステムによる拡散は、炎上とはほ一方、炎上とは、SNS上でネガティブInstagramの画像投稿でも起こっあり、何よりも避けたい現象です。対策としては、既出の情報、例えばWEBサイトの情報やプレスリリースの情報、事実に基づいた基本情報を活用することで、炎上は起こりにくくなります。 バズと炎上は、一見すると正反対の現象にみえますが、どちらも短期間で大量の関心を集めるという点では共通しています。情報の拡散速度が非常に速く、多くの人々が一斉に反応するためです。また、どちらも感情を強く刺激する内容が含まれていることが多いのが特徴です。バズの場合、面白さや驚き、ポジティブな感情が引き金となりますが、炎上の場合は怒りや不満といったネガティブな感情が主な原因です。いずれも、拡散に火がつくとコントロールができない状況になります。SNS運用において最も大切なのは、実直で誠実な姿勢を保つことです。バズを意図的に狙うことは一時的な注目を集める手段となりますが、一瞬で話題は消費されてしまい、長期的な視野でみると、信頼や支持を生むわけではありません。やはり一朝一夕ではいかないのです。フォロワーは、常に信頼できる情報源を求めています。話題を集めて拡散や新規のフォロワー獲得に奔走するのではなく、既存のファンに真摯に対応し、長期的な関係構築を考えるべきでしょう。 フォロワーにとって有益な情報を提供しながら、誠実な姿勢を貫くことにこそ、SNS運用の持続的な成長があるのです。(どうだぬき・しんいちろう)32
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