◇2024 12月号 人事院月報 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントについて公務では、職場における職員に対する妊娠、出産、育児休業・介護休暇等の制度等の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されることを防止するため、人事院規則一〇―一五(妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの防止等)が制定されており、同規則では、職場における上司・同僚から行われる制度利用の阻害や嫌がらせ等を防止するための措置を各省各庁の長に義務付けています。ただし、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動であればこのハラスメントには該当しません。○ ○ 〜職員以外の者へのセクハラについて〜させる職場における性的な言動」における「他の者を不快にさせる」とは、職員が他の職員を不快にさせること、職員がその職務に従事する際に接する職員以外の者を不快にさせること及び職員以外の者が職員を不快にさせることをいいます。「職員以外の者」とは、行政サービスの利用者、契約等により公務職場に勤務する者等が挙げられます。このように、セクハラについては、職場においては、職員のほか、行政サービスの相手方や委託契約等により公務職場に勤務する者等の職員外の者に対して行われは職員が「職務に従事する場所」であり、庁舎内に限られるものではないこと。不快に感じるか否かには個人差があり、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと、相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと等に注意する必要があること。セクハラをした職員は、懲戒処分を受けることがあること。強い立場にある監督者によるセクハラは問題が大きく、厳しい処分が行われること。セクハラの定義のうち「他の者を不快にるものも対象になります。これに関連して、人事院規則一〇―一〇に基づき、人事院は、職員以外の者であって、職員からセクハラを受けたと思料するものからの苦情相談を受けるものとしています。セクハラが職員間のものに限られないことを改めて認識していただきたいと思います。〜性的指向や性自認について〜「他の者を不快にさせる性的な言動」の「性的な言動」とは、性的な関心・欲求に基づく言動をいい、性的指向や性自認に関する偏見に基づく言動も含まれます。そのため、性的指向や性自認をからかいやいじめの対象としたり、性的指向や性自認を本人の承諾なしに第三者に漏らしたりすること(いわゆる「アウティング」)もセクハラに該当します。人事院規則一〇―一〇運用通知では、このことを明示するとともに、各府省に対し、セクハラ防止のための研修に性的指向や性自認に関する内容を含めるよう求めています。性的指向や性自認に関わりなく全ての職員が能率を最大限に発揮できる職場環境とするため、職員一人一人が性的指向や性自認について理解することが重要です。16
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