34人事院月報 No.904国家公務員倫理審査会の二五年と今後の展望特 集 倫理保持のための通知の発出平成一九年一〇月、幹部職員が、在職中定着期〜その後の一〇年倫理法等の施行から一○年が経過し、組倫理法により職員に義務が課されている各種報告様式については、平成一七年に倫理審査会が定めて以降、大きな改正は行われていませんでしたが、記入方法が分かりにくいという意見等もあったため、各府省等から意見を聴取し、平成三〇年四月、贈与関係と報酬関係の報告様式を分けるとともに、各府省等における審査事務が効率化するよう所要の改正を行いました。○ 倫理保持のための通知の発出平成三〇年九月、複数の幹部職員が倫理法等違反で処分される事案が発生したことを踏まえ、各府省に対し、当該事案と同様に事業者等から高額の接待を受けた事案がないかを点検するとともに、研修を通じた倫理意識のかん養や倫理的な組織風土の構築ができているか等を確認するよう要請する通知を発出しました。最近五年間の取組マンガ教材及び「りんりん」の活用○ 令和元年度に作成したマンガ教材について、その後第二巻も追加するとともに、小冊子「国家公務員倫理教本」と合本した形で、主として新規採用職員及び幹部職員へ配布しました。また、マンガ教材とともにが十分に行えていないとの指摘もありました。このため規制基準の簡明化を行うこととし、従前は倫理監督官による許可制であった利害関係者との飲食について、自己の飲食に要する費用を負担すれば飲食できる(当該費用が一万円を超える場合は届出が必要)こととしました。○ に関連企業の役員等から接待を受けていた事案の発生を踏まえ、各府省等に対して、倫理監督官が率先して自らの行動を律するとともに、特に幹部職員に規律の緩みが生じていないか改めて点検し、倫理保持の徹底を要請する通知を発出しました。また、平成二〇年七月、多くの職員がタクシー内でビール等の贈与を受けた、いわゆるタクシー内接待事案の発生を踏まえ、各府省等に対し、研修等を通じた倫理意識の高揚、担当者への相談の周知徹底などを通じ、職務の倫理保持を徹底するよう要請する通知を発出しました。織ぐるみの違反行為や大量違反事案が減少し、公務員が遵守すべきルールとして倫理法等は概ね定着しました。この間の主な取組は以下のとおりです。研修の計画的な実施に関する通知○ 平成二二年一二月、定期的な研修の受講機会を付与することや役職段階別研修における倫理に関する科目の組み込み、幹部職員を対象とした研修の充実などを内容とした通知を発出しました。○ 調査・懲戒手続マニュアルの作成倫理審査会において蓄積した倫理法等違反に係る調査のノウハウを提供し、処分に至るまでの適正な手続について取りまとめたマニュアルを、平成二三年三月に作成・配布しました。○ 通報制度の拡充窓口の多様化による相談・通報の活用推進の観点から、各府省に対して外部通報窓口の設置を働きかけ、ほとんどの府省で導入されました。○ 地方公共団体への周知徹底利害関係のある地方公共団体から供応接待や物品贈与を受けた事案が立て続けに発生したことを受け、平成二五年三月、地方公共団体に対し、倫理法等への理解・協力を依頼する通知を発出しました。各種報告様式の改正○ 07
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