人事院月報 2025年1月号 No.905
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その中でも重要な役割を果たすのが、管理職になります。新卒採用者であれ、中途採用者であれ、環境にうまくなじむためには、上司の役割が多大です。特に、新入社員がなじみやすい職場環境をデザインすることが管理職の重要な役割になるでしょう。それゆえ、管理職の職場デザイン力や育成力を醸成する研修などを実施し、管理職へのサポートも充実させることも不可欠です。管理職を育成し、能力の高い管理職にオンボーディングを実践してもらうことが、効果的なオンボーディングの重要な要因になるでしょう。先にも論じたように、これからの日本組織においては、「組織になじませる力」がない組織=オンボーディングが不十分な組織は、衰退します。現在の労働市場、そして、これからの労働市場も境界のない転職行動が当たり前になるでしょう。そのような状況において、「組織になじませる力」のない組織は、組織の魅力も低下し、新卒採用者からも中途採用者からも見向きもされなくなってしまいます。それは、優秀な人材が入って来ない、出て行くだけの人材流出組織になり、組織成果が高まるはずもなく、組織の成長を阻害します。それは、09人事院月報 No.905オンボーディングの重要性 〜人事部門の果たすべき役割を中心に〜寄 稿図1効果的なオンボーディング施策のデザインプロセス図2オンボーディング施策充実化の成果アンケート調査やパルスサーベイ、聞き取り調査によるデータ収集と分析データから見えてきた課題を克服できる施策のデザイン施策立案のメンバー構成に留意オンボーディングの成否は現場の協力が不可欠トップを巻き込み、トップに現場の協力も促してもらう納得して協力してもらうためのエビデンスづくり=データ現場が円滑にオンボーディング施策を実践できるサポート管理職の職場デザイン力の向上に寄与する研修の実施組織魅力=採用ブランディング選ばれる組織組織の成果、成長、永続性現状把握 オンボーディング施策の設計 部門間連携の構築実践支援と管理職サポートオンボーディングの充実化

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