人事院月報 2025年1月号 No.905
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行っているのでしょうか。[渡辺]国税庁の任務として三つ掲げているうちの一つとして、「酒類業の健全な発達」があります。今では税収のうち酒税の占める割合は一〜二%程度ですが、明治時代には税収の一位だったこともありました。このように、お酒は国の税収を支える大きなものであったという経緯があります。その中で、お酒の税収を安定的に得るために、お酒を安定的に造ることができる環境を作ることが必要だったので、我々のような技術系の仕事が生まれたと聞いています。今でこそ、アルコール発酵は酵母によるということが知られていますが、当時は何がアルコールを造るかということも分かってなかった時代でした。そのため、お酒は伝統的に造られてきたものではありましたが、安定的に高品質なお酒を造る技術を全国に広げていくような仕事を我々の先輩方が取り組まれてこられたと聞いています。――お二人の沖縄国税事務所での日々の業務について教えてください。[渡辺]国税組織なので、もちろん税に関係する仕事が一定量ありますが、産業振興的な仕事を多く行っています。沖縄国税事《インタビューにお答えいただいた皆様》お二人は普段は沖縄国税事務所にてご勤務されているとのことですが、インタビューの日は検査設備のある北那覇税務署に伺いました。設備を拝見させていただき、担当されている業務や沖縄国税事務所ならではの泡盛に関する取組について、さらに、キャリアについても教えていただきました。――そもそも、なぜ、国税庁の管轄でお酒の品質の検査や品質向上に関する業務を国税庁とお酒の仕事(敬称略)主任鑑定官渡辺 健太郎鑑定官家原 真紀左から、家原さん、渡辺さん11 各地の国税局(・事務所)では酒類の品質保持のための検査や、品質向上のためのアドバイスを行う鑑定官という国家公務員が活躍しています。今回のインタビューでは平成30年に人事院総裁賞を受賞した沖縄国税事務所主任鑑定官を訪ねました。日本酒を始め、泡盛などの「伝統的酒造り」は先月ユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、ますます注目の業務を担う公務員です。沖縄国税事務所 間税課インタビュー 月報編集部人事院月報 No.905解明・成長・醸成―泡盛を解き明かし未来へつなぐ~沖縄国税事務所 間税課 主任鑑定官を取材しました~

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