人事院月報 2025年1月号 No.905
16/44

て臨んでいます。[家原]令和二年からは、四五度を超えるものも泡盛と名乗れることになったので、高濃度泡盛の部というのも作りました。例えば与那国島で造られている花酒は度数が六〇度あります。四八度くらいのものから場合によっては七〇度のものまで出品されることもあって、他のお酒に比べてきき酒は大変です。いますか、特有の香りを評価する必要があります。これは他の焼酎の審査とは違い、泡盛特有のことなので、難しいところではないかと思っています。――鑑評会ではどのようにきき酒するのでしょうか。[家原]まずグラスから香りを確認したあと、実際に口に含んで味わいや口から鼻に抜ける香りを確認します。飲み込むことはなく、全て吐き出しています。飲んでいたら、そのうち何でもおいしくなってきてしまいますからね。一点目から一〇〇点目まで同じ基準で評価しなければいけないので、そこはトレーニングが必要です。――取組として、フレーバーホイールを作また、古酒の部の審査では、熟成感と言(1873〜1945)という方の記録の中でこ成されたとのことですが、これはどのようなものでしょうか。[渡辺]フレーバーホイールというのは、技術者同士で語るときの辞書みたいなものです。香りは人によって表現がバラバラだったりするので、香りについてディスカッションするときに、まずはその用語を整理していきましょうというのが一番の目的になっています。消費者の方々に向けては、代表的な言葉をいくつかピックアップしてレーダーチャートの形にしています。例えば(15ページのものでは)焦げた感じとかカラメルの味が強く感じられるお酒ですよとか、そうした酒質の見える化にも使っています。フレーバーホイールの「雄ヤギ」などは、琉球王朝最後の国王の子の尚順男爵ういった香りがあると残っているものです。どういう香りかというのはまだ分かっていないのですが、暫定的に入れています。これを作ってからコンクールや鑑評会でこういう香りを探そうという取組をしているのですが、まだ見つかっていないです。――HPには、英語版と中国語版もありますね。外国語版を作ったきっかけを教えてください。[渡辺]泡盛に限らず、酒類を含む農林水産物・食品の輸出促進という政府の方針があり、関係機関が連携しながら取り組んで142025 1月号 人事院月報▼フレーバーホイールについて▼泡盛技術情報ポータルサイト▲フレーバーホイール普及のため作成されたコースター。裏側に左記のフレーバーホイールが描かれています。(国税庁HPより)

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る