二人事院月報 No.906国家公務員制度ナレッジベース(SEDO)の御紹介人事行政報告いくアジャイル的なアプローチをとりました。令和四年一一月に開発を開始してから二か月で試作品を構築し、人事院の制度担当者によるテストを通じて、必要な機能の抜け漏れや制度担当者からの要望に応じた修正・改修を行っていきました。加えて、令和五年度上半期には、地方機関等への展開を想定した本格稼働のための改修を行い、令和五年一一月に全府省の本府省を対象として本格稼働を開始しました。また、これまで勤務条件や勤務環境等に関する一般職国家公務員からの相談(苦情相談)の回答に利用していたシステムが、基盤の更改に伴い、移行等が必要となりました。苦情相談もいわば、外部からの相談に対して回答するという根幹部分が共通していたため、新システムの構築ではなく、SEDOに新しい機能として組み込むという判断をしました。当初、利用者が各府省の人事担当者に限定されないなどの制度照会と異なる部分について、追加の設計・改修が必要でしたが、令和六年三月には、苦情相談をSEDOで受け付けることができるようになりました。SEDOでできることより効率化可能な部分を整理すること、そして、これまで困難であった情報を集約するための処理を追加することを心がけました。各制度担当者にヒアリングを行い、システム化に当たっての課題や要望、懸念を整理し、優先度を設定しました。そして、SEDOが備えるべき機能として、照会の受付のほか、上司による承認、回答時のメール送信、データ集計や担当者ごとに参照できる情報を制限する権限設定などを決めました。SEDOの構築は「クラウド・バイ・デフォルト原則」に則り、オリジナルのシステムを一から設計する方法ではなく、既存のサービスをカスタマイズする方法により進めました。SEDOの設計に当たっては、各府省の人事担当者が迷わずに検索や照会内容を入力でき、回答内容も細かい手順を意識せずに確認できるよう、直感的な操作性を意識しました。また、各職員に入力を求める項目を最小限にするよう努めました。その上で将来のニーズ変化にも柔軟に対応できるよう、システムのアップデートや機能拡張も視野に入れています。実際にSEDOを構築する際には、ユーザーの要望を取り入れながら修正を加えてOutlookWordOutlookOutlookWordWordOutlookOutlookWord各府省担当者からの照会を聴取照会内容のメモ作成対応者の調整・決定類似案件等の調査照会に関する本院への確認等回答案作成回答案の承認依頼(決裁)回答の電話回答メールの作成・送信メモ作成回答記録、関連資料の整理・保存各府省担当者はシステムに直接入力SEDO対応者の調整・決定SEDO類似案件等の調査SEDO照会に関する本院への確認等SEDO回答案作成SEDO回答案の承認依頼(決裁)SEDOシステム上で回答回答済みの連絡メール送信SEDO(必要に応じて)入力SEDO回答記録、関連資料の整理・保存SEDO21図3制度照会対応業務の流れシステム内の共有機能でデータの共有可能よくある質問等は府省FAQで公開済蓄積されたデータを参照可能従前SEDO運用開始後
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