人事院月報 2025年2月号 No.906
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始から一年以上が経過し、FAQは現在約一二〇〇件が登録され、多くの利用者に参照されています。 また、各府省から寄せられる照会の内容、照会された時期、照会の対象となった制度、その照会に対する人事院の対応などのデータを、SEDOに記録・蓄積できるようになりました。さらに、人事院では制度照会対応業務の進め方を統一したことで、異動のためこれまでと異なる制度を担当することとなった職員も、すぐに制度照会対応業務に携わることが可能になったなどの効果がみられています。加えて、電話が苦手な職員や、新規採用職員にとっては、耳慣れていない制度の特有の用語などを聞き取らなければなりませんでしたが、受付時から照会内容が文字化されているため、内容の検討や制度の理解により注力できるようになったという効果もみられています。また、SEDOには、人事制度を参照するために各府省の人事担当者が集まる場としての役割を期待して、令和六年四月には、災害補償の金額の算定に必要な平均給与額を自動計算するツール「ダブリューさん」、その他制度説明会資料など業務に役立つ資料・ツールを掲載するインフォメーションページにログインすることでFAQについて、キーワード検索や閲覧頻度が高いFAQのランキング、人事制度の一覧から参照できるようになりました(図4)。報を基に、同じ府省に所属する他の人事担当者が以前に照会した内容・回答も閲覧できるようになっています。フォーム(図5)に照会内容と対象制度など、四つの項目を入力・選択して送信すると、SEDOが人事院の担当局課を自動で振り分け、照会を届けます。この際、照会者(各府省の人事担当者)の情報、連絡先は、SEDOにあらかじめ登録された情報を参照しているため、入力は不要です。受付と回答が完了したそれぞれのタイミングで通知メールが届きます。から回答するまでの各業務は、以前は電話、メール、Word等のツールを組み合わせて行っていましたが、SEDOの運用開始後は、一連の業務をSEDOで完結できるようになりました(図3)。各府省の人事担当者は、SEDOの専用さらに、事前にSEDOに登録された情解決策が見つからない場合は、照会また、各府省の人事担当者には、照会の人事院において、制度照会を受け付けてこれまで人事院の制度担当者が電話やメールなどで行っていた照会の受付業務は、SEDOにより自動化され瞬時に行えるようになりました。照会の受付から回答案作成、承認までの進捗状況が可視化され、人事院の中だけでなく、各府省に対しても進捗を共有できるようになりました。 また、人事制度に関する照会が電話を使わずに行えるようになり、テレワークなど柔軟な働き方への支援につながっています。照会・相談のやり取りをシステム上で完結させることで、紙での管理から脱却する道筋ができたという意義もあります。これまでは資料が紙で管理されていたため、照会の回答作成時に過去の照会記録等の資料を調べるには、出勤しなければならないことがありましたが、この点も改善できると考えています。人事院の制度担当者は、照会の過程で、類似案件の検索や関連部署への確認などもシステム内で完結できるようになりました。また、各府省の人事担当者は、過去の照会履歴やFAQから必要な情報を容易に参照できます。これにより、各府省の人事担当者が自己解決できるようになり、類似の質問についてのやりとりを省くことが可能になると期待しています。令和五年一一月のSEDOの本格稼働開222025 2月号 人事院月報

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