人事院月報 2025年2月号 No.906
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を攻撃することによって、本人の個人情報や友人の情報を収集し、更なる攻撃に活用されてしまうことがあります。具体的には、本人になりすまして行われるスパムの拡散、フィッシング詐欺につながるサイトへの誘導、本人になりきり、フォロワーに金銭の要求をするなど、より深い罠をオープンに設置されてしまいます。こうなってしまうと、単純に乗っ取られてしまった不正アクセスだけの問題ではなく、金銭的な損害や信用の失墜といった深刻な被害をもたらしてしまいます。二段階認証の導入二段階認証とは、通常のSNSアカウントのログインの際に必要とされる、ID、パスワードに加えて、もう一つの別の認証の要素を加えて、万が一パスワードが盗難された場合でも、乗っ取りを防ぐことができるセキュリティの手順になります。具体的には電話番号を通じた本人確認や、アプリで生成されたコードの入力等、ログインの際に個人や担当者に紐付いた最終の確認が追加されるシステムです。この二段階の認証によって、おおよその乗っ取りを防ぐことができます。私も二段階認証高まるセキュリティの重要性さて、今回で「SNS運用の基礎と秘訣」の連載コラムは最終回になります。ラストのテーマはこちらも重要な項目である「セキュリティ」です。実は今年だけでも、私の周囲では三つも企業公式SNSアカウントが乗っ取り被害に遭っています。そのうち一つは悪意のある相手によってアカウントを削除されてしまい、元のように取り戻すことができなくなってしまいました。このように、メールやWEBサイトと同様にSNSでもアカウントの乗っ取りといったセキュリティリスクが潜んでいます。アカウントが乗っ取られる理由や、乗っ取られたアカウントがどのように悪用されるのか、対策はどのように準備しておくべきか、きちんと理解し、あらかじめできる対策を講じておくことが大切です。アカウント乗っ取りが行われる理由SNSは、フォロー・フォロワーとつながってオープンにコミュニケーションを取る、いわば人間関係、信用関係が可視化されたメディアです。このSNSアカウント282025 2月号 人事院月報 SNS は、情報共有や交流のための重要なツールですが、その利便性と引き換えに、アカウントの乗っ取りといったセキュリティリスクが潜んでいます。 本コラムでは、SNS セキュリティの基礎と秘訣について解説します。コラム人事院 広報プランナー洞田貫 晋一朗SNS運用の基礎と秘訣③〜なりすましや乗っ取りを防ぐためには――各SNSでセキュリティを高める方法〜

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