人事院月報 2025年2月号 No.906
31/36

SNSの安全な利用には、自らの意識が求められます。ここで紹介した方法は一部ですが、これらセキュリティ対策は、アカウントを守るための基本です。様々なリスクを理解しながら、ユーザーにしっかり情報を届け続けるアカウントの運用が大切です。このコラムが皆さんのSNSの運用力の向上につながる一助となれば幸いです。(どうだぬき・しんいちろう)を設定していて乗っ取りに遭ったSNSアカウントは、あまり聞いたことがありません。をすればよく、それだけで容易に強固なセキュリティを築くことができます。ログインが少し億劫になるデメリットはありますが、セキュリティの効果は高く、必ず設定していた方が良いと言えるでしょう。したにフィッシングメールが送られてくることがあります。これは、不正なリンクをクリックさせることで、ログイン情報などを盗む手口です。「アカウントが凍結されました」や「セキュリティ問題が発生しました」、「公式認証バッジを付与するので、IDとパスを入力してほしい」といった、SNSツールの運営元を装って届くメッセージ等が一般的です。直接的にユーザーを偽サイトへ誘導するのが目的ですが、正規のSNS運営者は、通常このような通知をメールで送信することはありません。取った際は、そのリンクをクリックせず、公式サイトやアプリ内で通知を確認するこ二段階認証の有効化は各SNSから設定フィッシングメールに用心をSNSでは、ダイレクトメール等を活用したがって、不審なメッセージを受けとが必要です。メールであればメールの送り主のドメインをよく確認することです。意識の高さに秘訣ありこれらパスワードの更新や、ダイレクトメールによるフィッシング詐欺など、うっかりしていると情報を入力してしまいそうな巧みな連絡や公式を装った通知が思わぬタイミングで届きます。したがって、SNSの安全な利用には、組織のセキュリティ意識を高めることが必要不可欠です。組織内でSNSの利用ルールやセキュリティ対策、被害事例などがあれば共有し、担当するメンバーが一定の知識を持っていることが望まれます。また、不正アクセスが疑われる場合、アプリの通知やメールが届くことがあります。この場合は、早期対応が必要になるのですが、この通知を見逃してしまうと、乗っ取りに遇う可能性がさらに高まります。どこからログインされたかを確認するなど、見覚えのないアクセスが記録されている場合は、速やかにパスワードを変更することが望ましいでしょう。加えて、各SNSのサポートセンターに通報することも想定しておきたいポイントです。29人事院月報 No.906SNS運用の基礎と秘訣③〜なりすましや乗っ取りを防ぐためには――各SNSでセキュリティを高める方法〜コラム自己紹介文:2006年森ビル株式会社入社六本木ヒルズの展望台、ギャラリーの企画、運営、広報などを担当、総SNSフォロワー80万を抱える森美術館のマーケティング担当を経て現職。SNSマーケティングを組織に積極的に取り込むとともに、多様なターゲットに広くリーチするSNSの運用方法を研究、SNSの運用についてセミナー講演も多数。Forbes JAPANが選ぶトップインフルエンサー50に選定(森美術館・2019年)。著書 『シェアする美術 森美術館SNSマーケティング戦略』(翔泳社)□□□□□□□□□□□一朗洞人事院 広報プランナー田貫 晋

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る