人事院月報 2025年2月号 No.906
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 月報編集部書評家・文芸評論家とは―その書店でアルバイトをするきっかけはどのようなものだったでしょうか。当時独立系書店がはやっていて、東京に行って書店巡りをしていました。店主の方と「わざわざ京都から…」みたいな話をして、「京都に今度書店を出す計画があるから、そのときはバイトしてよ」という話になって、「はい。します。」というのがきっかけでした。オープニングスタッフとして入って、最初から選書に関わったり、インターンのような感じでした。なので、普通の書店業務とはまた違って、広報をすることもありました。―大学院修了後に一般企業に就職もされていますよね。書評を書く仕事を始めたのは大学院のときで、修了後就職もしたので、兼業で書評をしていました。文芸評論家として独立するときは、書評の仕事が大分増えていて、副業の方が収入面で上回るようになっていました。収入面で上回っていなければ本業の会社は辞めていなかったと思います。最初から、―三宅さんは「書評家」を仕事にされていますが、書評家というのはどのような仕事でしょうか。最近は文芸評論家と名乗っています。書評家や文芸評論家は本の魅力を発信する仕事と私は表現しています。本は作家がいて、書店で売られるものですが、コンシェルジュの役目をする人がいないと、どういう本が今読まれているかとか、なぜ読まれているかとか、あるいは、どういう本がお薦めなのかということが、分からなくなってしまうと思います。皆さんに、その本の魅力を言語化してお伝えしたいと思っています。―文芸評論家になった経緯を教えてください。目指していたというよりは、成り行きでした。大学院生のときに、アルバイトをしていた書店で本を紹介するブログを更新していたのですが、それがバズって、本を出したのがきっかけでした。2025 2月号 人事院月報      02 最近本を読んだのはいつでしたか?スマホばかり眺めていませんか?ドキッとした方も、愛読家の方も、読書を楽しむことができる働き方を考えてみませんか? 文芸評論家としてご活躍の三宅香帆さんにこれからの社会はどんな働き方をするのが良いのか、そして読書について伺いました。インタビュー三宅香帆さん~もっと読書を楽しみませんか――働き方と読書について考える~

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