います。自分の仕事以外の趣味を持ってみるとかもそうですし、仕事以外の場を作るぐらいのイメージで考えていただけたらなと思います。―そんな社会の実現は、困難なことだと思いますか。それとも案外簡単にできるのではないかとか、どう感じていますか。自分と同世代から下の若い世代を見ていると、仕事に全身全霊だけが全てではないと思っている人が結構多いのではないかと思います。もちろん、若い時期のある期間、全身全霊で仕事をするときがあっても、それが人生のずっとではないのではと思っている人が増えているように思うんですね。でも、この本の反響とか、いろいろな人と話したりしても、上の世代になればなるほど、仕事が人生の「全身」であって、それが当たり前だという価値観があるように感じます。 そういった世代間ギャップは感じたりしますが、みんなでどうやったら納得して、うまく働いていけるかを見つけていくようになるのではないかと思います。きてしまうようになったと思います。自分のコントロールできる、要は知りたい範囲のことは、自分の内側に取り入れるのですが、予想していないことや測れないものは、隅により分けて置いておきたくなってしまうという、そういうものをノイズと呼んでいます。―では、御著著の中で提案されている「半身で働く」というのはどのような働き方でしょうか。というやり方は、仕事のやり方でしかなくて、生活や人生に反映できるものではないと思うので、仕事以外の考え方をできる時間というのを増やしていった方がいいのではないかと思っています。値みたいなものを設定して行われるものだと思います。そういうものがない時間というか、半分というのは比喩的な表現なのですが、もう少し今よりも仕事以外のことを取り入れる時間が必要なのではないかと思います。一〇〇%仕事、という考え方だけが正しいというわけではないということを言いたいですね。測れるものだけを自分の頭の中に入れる仕事は経済原理だったり、成果とか目標―半身で働くと給料も半分になってしまうというふうに思う人もいると思うのですが、三宅さんは、働く時間を半分にするべきということを言いたいのではなくて、仮に、労働時間は今と変わらなかったとしても、別のこともやってみたり、考えたりした方が良いですよ、ということですね。そうですね。とはいえ、仕事のことを考えている時間を減らしたいと思っても、二四時間でも働きます、みたいな状態だったら、なかなか他のこと考える時間もないので、難しいことですよね。単純に労働時間を半分にするというよりも、自分の人生の中で仕事はどれぐらいの割合の価値を占めていて、それ以外の時間がどれぐらいの価値を占めているのかということを、捉え直すことをやってみてもいいのではないかと思っています。大人になると、特に働いていると、働いている時間が人生の大きな地位を占め過ぎて、それ以外の価値観があるということを忘れてしまいそうになるときがあると思います。でも、本を読んだり、人の話を聞いたりすると、また別の価値観が入ってきて、それがバランスを取るのに良いものだと思2025 2月号 人事院月報 04
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