いいんだろうかということは、もっともっと議論されてほしいなと思います。―最近リスキリングも話題になっていますが、今の仕事は一旦止めて、一度一〇〇%新しいことに挑戦する方も多い気がします。常にリスキリングし続けるという風潮ではないですよね。いろいろな調査を見ても、日本は諸外国に比べて、勉強の時間が少ないですし、特に社会人の勉強の時間が少ないと言われています。リスキリングも一回会社を休んでとか、会社辞めて、それこそ全身全霊向けてやるというような、発想としては半身的な在り方があまり推奨されていないなと感じています。そういう意味でも、例えば休職して大学に入るのも、もちろん素敵なことだと思いつつ、働きながらでも、夜にちょっと自分の業務に関連する外国の文献読んでみるとか、そういう時間があってもいいのではないかと思います。―国家公務員へメッセージをお願いします。を過ぎた頃から、読まなくなるということが、問題としてあると思います。一六歳以上だと、それこそ忙しくなってとか、大学生活にしても、いろいろなことで忙しくてという人が多いと思います。でも、そこでちょっと、踏ん張って読書の習慣というのを身に付けると、その後ずっと読めるようになると思います。高校生とか、特に大学生にどうやって本読んでもらうかというのが一番の課題なのではないかと思っています。なった方が楽しめると私は思っていて、専門書ではなくて、入門書をたくさんの人に読んでもらえるようにできないかと思っています。新書は特に入門書が多いので、いろいろな人に読んでもらいやすいと思います。諸外国に比べて本をたくさん読んでいました。文化庁の「国語に関する世論調査」では、本を読む人が減ったという話もあったりしますが、もともとすごく読んでいたところから、下がっている、という感じです。本を読まなくなっているという話は諸外国も同じ傾向だと思います。でも、社会人の読書という意味だと日本は少ないかもしれ新書などの、ノンフィクションは大人に日本はそもそも読書大国というか、多分、ません。アメリカや、イギリスについても、働いていると読めなくなるのか調べてみたいですね。―庁舎内にある書店でも多くの国家公務員が御著書を手に取ったようです。国家公務員も読書する時間が取れていないように思います。霞が関に限らず、働き盛りの人たちが、本も読めないということは、要するに勉強する時間もないということだと思うんですよね。もちろん、私の本の中の主張としては、仕事に関係がない本を読む方法を説いてはいるのですが、いろいろな方の話を聞いていると、仕事に関連する本すら読めていないように感じます。日本全体が、長期的な勉強をしずらい環境になっているのではないでしょうか。霞が関で働かれている方は、国家の今後を考えたり、長期的な視野で仕事してらっしゃる方が多いと思います。そんな方々にとって本を読む時間がない働き方はどうなんでしょうかと思います。この本が、議論の一つのきっかけになってほしいですね。日本全体で、働いている人が勉強したり本を読んだりすることをできていない状況で最後に2025 2月号 人事院月報 06
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