人事院月報 2025年3月号 No.907
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とができ、充実した研究生活を送ることができました。改めて、このような貴重な機会を頂けたことに感謝するとともに、今後も本制度を通じて、多くの方が貴重な経験をされることを祈念しております。峯川祐衣さん(金融庁)派遣先国□英国二〇二二年八月から約二年間、人事院の長期在外研究員制度を利用して英国留学の機会を頂きました。英国大学院の多くは一年間で修了可能なため、派遣期間を通じ二つの大学院の修士号を取得しました。一年目は、ロンドン大学(KCL)のLLMコースにて金融関係法、二年目はケンブリッジ大学のビジネススクールにおいて金融学を学びました。世界各国から集まった優秀な仲間とディスカッション等を繰り広げながら、法律とファイナンス実務の観点から金融にアプローチすることができ、金融行政官としての専門性を磨く貴重な経験となりました。また、多様な学生と交流を深める中で、様々な国や文化への理解が深まったと同時に、日本の代表として自国について話す中で改今津俊さん(法務省)二〇二二年七月から約二年間、米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校ラスキン公共政策大学院にて、主に定量的な政策分析について研究する機会を頂きました。二年間の研究生活では、統計学や経済学などの科目を履修し、定量的な政策分析に必要な知識の習得に努めるとともに、実際の公的機関などが抱える課題に対し、政策提言を行うグループプロジェクトに従事しました。私のグループは、ロサンゼルス市の国選弁護人団体が抱える、「精神疾患を抱えた、罪を犯した者の再犯率が高い」という課題に対し政策提言を行いました。その過程では、授業で学んだ知識を実社会で活用する方法について学ぶだけでなく、所属省庁が所管する刑事政策の分野についての知見も高めるこ派遣先国□米国02 国家公務員として働く魅力の一つに、海外留学があります。人事院では、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を目的に、各府省の行政官を海外の大学院に派遣する行政官長期在外研究員制度を運営・実施しています。 今年度帰国した161名の研究員のうち5名の方々が、2024年11月に高円宮妃殿下に御接見を賜り、帰朝報告を行いました(表紙裏の写真を御覧ください。)。 この5名の方々から、研究の内容や留学で得られたことなどを伺いましたので御紹介します。人事行政報告人材局研修推進課カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイスホール(今津さん)2025 3月号 人事院月報  海外留学レポート~行政官長期在外研究員制度による派遣者の体験談~

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