人事院月報 2025年3月号 No.907
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めて日本への理解を深めるきっかけにもなりました。能性に挑戦できたこと、新たな価値観や文化に深く触れる機会を頂けたことは、何事にも代えがたい人生の財産です。今後国家公務員の道を選択された皆様が、本制度を通じ自らの可能性を広げられることを祈念しております。社会人になってから異国の地で自分の可藤田あかねさん(文部科学省)二〇二二年の夏から二年間、ドイツ・テューリンゲン州の州都にあるエアフルト大学ウィリーブラントスクール公共政策大学院にて公共政策学を学びました。長期在外研究員制度を活用したからこそ目的意識を明確に持ち勉学に励むことができたと感じており、実践的な政策分析手法や語学の獲得はもちろんのこと、移民の統合に課題を抱えているドイツにおいて、職務で関わって以降関心を持っていた移民に対する教育政策の効果について、論文執筆を通じて分析できたことは、将来にもつながる私の大切な財産となっています。夏季休暇中には、フランスのパリにある堀人事院月報 No.907海外留学レポート ~行政官長期在外研究員制度による派遣者の体験談~人事行政報告  派遣先国□ドイツ夏子さん(公正取引委員会)二〇二二年夏から二年間、パリ第二大学に留学し、欧州競争法及びフランス商法典第四編(競争法)を中心とする在外研究を行う機会を頂きました。特に、デジタル市場における市場支配的地位の濫用、経済従属的地位の濫用、著しい不均衡規制の適用についての法執行事例や、競争法分野において商事裁判所が果たす役割について研究を行いました。これらの研究の一環として、競争法執行を担う独立行政機関であるフランス競争委員会や、競争法実務を担う弁護士、国内外の研究者からのヒアリングを行い、多様な関係者と交流する機会を得たことは、今後公正取引委員会で実務を行う上で大きな収穫となりました。また、生活面においては、パリ五輪直前まで滞在したため、現地の準備状況や市民の高揚感を肌で感じることができ、貴重な経験となりました。今回の在外研究で得た専門知識や経験を基に、日本の競争当局の一員として、より良い競争政策に貢献していきたいと思います。派遣先国□フランス03ケンブリッジのクラスメイトと(峯川さん)大学院修了式における帽子トス(堀さん)※写真の一部にぼかし加工を行っております。

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