このような留学機会があることを、これから国家公務員を目指す皆様にお伝えできれば幸いです。終わりに〜グローバルな視野を持つ行政官の育成に向けて〜行政官長期在外研究員制度で派遣された研究員の総数は、昭和四一年度の制度発足以来、四、五〇〇人を超えており、この制度は国家公務員を目指す方にとって大きな魅力の一つになっています。近年では、毎年一五〇人前後の行政官が新たに派遣されており、人事院としてはこの制度の一層の活用を通じて、国際的視野を持つ行政官の育成に努めてまいります。UNESCOの「移民・難民・危機管理に対する教育」部局にてインターンを行いましたが、国際機関において日本が果たす役割を改めて考えることができましたし、日本人であり役人である自分がどのように組織に貢献できるのかを意識して働く意義深い時間も得ました。また、世界四〇か国から集まった五〇名のクラスメイトとの交流は、自分の「当たり前」を外から捉え直し、視野を広げるという観点でとても有益で、留学したからこそできた経験だったように思います。今後も長期在外研究員制度を通じて自己研鑽に励まれますように、心より応援しております。国家公務員という道を選ばれた皆様が、濱田佳大さん(国土交通省)派遣先国□シンガポール二〇二二年夏から二年間、シンガポール国立大学(NUS)に留学する機会を得ました。ダブルディグリープログラムの一環として、一年目は公共政策学を専攻し、経済学や統計学といった基礎分野に加え、交通、貿易、水政策など、関心のある分野について学びました。二年目には経営管理学(MBA)において、ファイナンスや会計に加え、アントレプレナーシップやスタートアップ企業へのコンサルティングプロジェクトなど、実践的な学びの機会も得ることができました。NUSでの経験を通じて、アジアの事例や友人を介して、様々な国の制度や文化の特徴や違いについて多くを知ることができました。また、夏休みには国連ESCAPの宇宙利用セクターでインターンを行い、国連の役割や活動について理解を深める貴重な機会を得ました。グループ活動では英語の壁に苦労する場面もありましたが、外の視点から日本について考える機会が増え、様々な経験を積むことができました。さらに、海外の公務員を含め、世界中に幅広いネットワークを築けたと感じています。04シンガポールのコンテナターミナルへのサイトビジット(濱田さん)エアフルトの街並み(藤田さん)2025 3月号 人事院月報
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