人事院月報 2025年4月号 No.908
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その中で、国家公務員の行動規範を策定すべきであるとの議論がなされています。「○○してはいけない」ではなく、国家公務員のあるべき心構えを策定し、それを基に各府省にミッション・ビジョン・バリューを策定し、又は見直してもらうことや、幹部のマネジメント力の強化、公務のブランディングなどについても議論されていますので、本日の御意見を公務員倫理にどのように当てはめていくべきなのか考えていきたいと思います。秋吉会長 本日皆様から頂いた貴重な御意見を参考にしながら、引き続き倫理規制の在り方について検討していきたいと思います。本日はありがとうございました。高めるかなど、全体像で見ていかないと倫理感だけでは解決することが難しい部分があるのは事実でしょう。いて国家の運営に携わり、政策を進めるといった、非常にやりがいのある仕事だと思います。国家公務員の仕事の魅力が低下する一因となり得るのは、国会議員から「この話は聞いてないから説明に来るように」といった度重なる説明依頼や、テレビカメラを入れた野党合同ヒアリングで国家公務員が責め立てられるといったことで、政治的なパフォーマンスに国家公務員が利用されているというところに基本的な問題があると思っています。現場のやりやすさも重要ですが、国民目線で見た場合に納得が得られるかということが非常に重要と考えます。先ほどお話があったように、国家公務員と国民との間の距離を縮めていくことが大事なことだと思います。で、その仕事ぶりや役割が理解されづらい状況にあると思いますが、どのように距離国家公務員の仕事は、内閣の方針に基づ○国家公務員の役割の理解促進あおい委員 倫理規制の在り方として、国家公務員の仕事は裏方の仕事が多いのを近づけて行くことができるのか、例えばメディアの力というのも大きいと思いますが、何かアイデアがあればお話しください。湯本氏 一つのことで大きく変えることは難しいかもしれませんが、若手の国家公務員が何を考えて、どのような仕事をしているのかがもっと伝わる場面があればよいと思います。月刊誌などに時々座談会の記事が掲載されたりしますが、特に若い国家公務員が悩みながらもやりがいを持って公務に携わっているということが国民に伝わる機会を意識的に増やしていくべきです。官民の人事交流も結構行われてはいますが、さらに活発にしていくことも選択肢の一つでしょう。伊藤委員 人事官として人事行政も担っていますが、人事行政全体が、かつてのルールを設定して管理するというものから、公務組織全体としての人材戦略に変わってきています。公務員倫理もその一部という捉え方をする必要があると感じました。 人事院では、人事行政諮問会議という場を設けてこの一年ほど、あるべき人事行政について聖域なく議論していただいています。2025 4月号 人事院月報        08

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