2 意見交換1 はじめにlicCivilシンガポールのイップ公務員長官、タン公務員局事務次官との間で、日・シンガポールの若手行政官を一週間程度相互派遣することや、あらゆるレベルでの交流を継続していくことについて合意しました。また、この機会に、公務員のバリュー(行動規範)、柔軟な働き方、人材確保や人材育成など互いの国の施策や抱える課題について意見交換を行いました。⑴イップ公務員長官の主なコメントシンガポールは、地方自治体なども存在しないシンプルな構造の都市国家です。日本とは状況が違う面もありますが、相互に学べる部分があると考えています。日本は、シンガポールにとって大切な国であり、このような機会は大変貴重です。シンガポールの公務員制度の特色を御紹介します。まず、採用については、試験はなく、面接・経歴などを踏まえて審査を行っています。給与に関しては、市場競争に連動した給与体系を採用しています。給与水準は民間と比較して毎年調整されますが、個々の給与はパフォーマンス評価に連動します。公シンガポールは、面積約七二〇平方キロメートル(東京都二三区よりやや大きい面積)、人口六〇〇万人弱の都市国家であり、一六府省、約八万六千人の公務員(日本の地方公務員に相当するものはなく、全て国家公務員)から構成されています。人事行政全般を所掌する組織として、首相府公務員局(Pub担当事務次官が統括しています。さらに、公務員長官が公務全組織を統括しています。人事院は、シンガポール首相府公務員局とは、中央人事行政機関をメンバーとする会議)+3の枠組を活用した閣僚級会合などの定期会合、人事院主催の国際ワークショップ(二〇二四年一〇月)を始めとする各国主催の国際会合のほか、二国間でもイップ公務員長官の川本総裁への訪問(二〇二四年三月)など様々な機会を捉え、意見交換を行ってきました。本稿では、川本総裁がシンガポールを訪問し、シンガポール政府のイップ公務員長官及びタン公務員局事務次官と行った意見交換の内容を、御報告します。ServiceDivision)があり、ServiceMatters:ASEAN公務協力CooperationonACCSM(ASEAN人事行政報告国際課2025 4月号 人事院月報 12 2025年1月8~10日、川本人事院総裁がシンガポール共和国(以下、「シンガポール」という。)を訪問し、首相府のレオ・イップ公務員長官及びタン・ギー・キャオ公務員局事務次官との間で、人事行政に関する意見交換を行いました。今回の訪問において、若手職員を1週間程度、相互派遣するとともに、あらゆるレベルでの交流を今後も続けていくことについて両国間で合意しました。本稿では、シンガポール側との意見交換の内容を御報告します。シンガポール共和国との人事行政に関する意見交換
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