人事院月報 2025年4月号 No.908
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ServiceIntegrityサービスの一員として国民に貢献しているという意識を育む効果も見込まれます。また、他府省への転籍を容易にしつつ、民間への転職と比べてメリットを与えるといった取組により、公務内のキャリアの選択肢を広げられるようにしています。給与に関しては、民間企業との競争に対応するため、常にベンチマークを用いた給与体系の改定(昨年は三二件実施)を行っています。技術職に加え、法律職や経済学の知識を持つ者についても、競争力を保つよう心掛けています。公共部門の給与が完全に民間と同等になることはありませんが、過度に大きな差が生じないよう努力しています。また、大学への奨学金制度があり、卒業後六年間の勤務を条件に、優秀な学生を支援する取組もあります。今般、日本で導入される、フレックスタイム制度を用いて勤務日を週四日とすることができる制度に注目しており、今後の展開も教えていただきたいと考えています。私たちも常に改善に取り組んでいますので、日本との交流を強化し、学び合う機会を増やすことを心より歓迎しています。人事院は今後も引き続き、双方にとって学びのある国際交流を実現してまいります。Excellence)は、共通であり、浸透させ務員は安定した職業ではなく、民間企業と同様に競争意識を持つべきだという考え方です。うち、ミッションは各組織で異なりますが、三つのバリュー(るために繰り返し言及しています。しています。研修受講は職員の権利であり、国にとっての重要事項で、基本的に業務を理由に参加の機会を制限することは許されないという考え方です。例えば、シビルサービスカレッジ公務員の研修所)が行う局長級のリーダーシップ研修は六週間に及びますが、その間複数部署の局長が不在でも部下が代理を務め、支障は生じません。の公務員の交流を続けたいと考えています。⑵タン公務員局事務次官の主なコメント持っています。公共サービスに対する信頼を築くため、「Competence(能力)」、ます。公務員のバリューを浸透させるため、リーダー層が一貫して同じメッセージを繰シンガポールの行政機関全体のMVVの人材育成の面では、研修を非常に大事に今後も引き続きあらゆるレベルの両国で私たちは自国の公務員の良さには自信をり返し発信し続けるほか、SNSやイベントも活用し、七月は公共サービス月間として公共サービス賞を授与しています。さらに、リーダーシップ層には研修や三六〇度評価、定期会合(各府省の局長級以上一五〇名程度で二〜三か月ごとに実施)によってもバリューの共有を強化し、リーダー間の結束と方向性の統一を図っています。職員のキャリア形成についても、様々な取組を行っています。例えば、「キャリアコーチ制度」による職員が三〜五年後のキャリアを計画できるための支援、「ギグワーク制度(他府省のプロジェクトに参加できる機会を提供する制度)」による職員間の交流の促進などがあります。このことで、職員が他機関の仕事を知り、同じ公共(,,人事院月報 No.908シンガポール共和国との人事行政に関する意見交換人事行政報告         「Character(品性)」、市民や職員への「Care(配慮)」の三つのCを重視してい▲川本総裁とタン公務員局事務次官13

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