職員福祉局職員福祉課人事行政報告ハラスメントのない職場を目指して【関東事務局】年一一月二九日(金)に、「裁判例等から考える予防と対応」を副題にして、東京総合法律事務所弁護士の福島渚氏による講演会を開催しました。な人材が流出し、人的損失につながります。また、職場環境の悪化やモチベーション低下の原因にもなります。こうしたことを防ぐためにもハラスメント対策は必要であり、特に、職場環境を改善するためには管理職員の意識の変化が重要です。どのくらいが長時間の叱責に当たるのかパワー・ハラスメント(以下、「パワハラ」という。)になり得る言動として「執拗な非難」(長時間叱責し続ける)があります。皆さんはどのくらいが長時間の叱責に当たると思いますか。一律の基準はありませんが、判例では、時間が「五分ないし十分程度」で頻度が「少なくとも一週間に二、三回程度、ミスが重なれば一日に二、三回程度」であったものについて、その他の事情も考慮した上で、「心理的負荷は相当なものであった」と認められたものもあります。時間や頻度が、これまでの自分のイメージと比べて、多いか少ないか考えてみてください。セクシュアル・ハラスメント(以下、「セクハラ」という。)については、「最近は何でもセクハラと言われるから世知辛い」「セクハラは誰が言うかによるから納得がいかない」と言う方がいらっしゃいますが、そうした考えをお持ちの方は、まだ認識が甘いです。職場の中だということを考えると、「誰が言うかによる」ようなリスクのある言動をする必要は全くありません。価値観の違いへの対応ハラスメントが起こってしまう原因になりやすいものに、「価値観の違い」があります。「相手はこう思っているだろう」と考え、配慮したつもりでも、実は価値観の押しつけになってしまっている可能性があります。相手との価値観の違いを埋めることは難しく、埋めようとすると押しつけが生じます。必要となるのは、相手がどのような考え方を持っているかについて、コミュニケーションを取ることです。職員一人一人ができることハラスメントが起こってしまった際には、まず、傍観者にならないことが重要です。ハラスメント被害を受けている人がいるのに見て見ぬふりをすることがないよ関東事務局(さいたま市)では、令和六なぜハラスメント対策が必要なのかハラスメントが生じることにより、優秀人事院では、国家公務員ハラスメント防止週間(令和六年一二月四日〜一〇日)における取組の一環として、各府省の職員を対象に、ハラスメント防止についての啓発と防止対策の推進を図るため、さいたま市、広島市、福岡市において、国家公務員ハラスメント防止講演会を開催しました。その講演内容を御紹介します。142025 4月号 人事院月報
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