人事院月報 2025年5月号 No.909
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(注) ビオトープ:工業の進展や都市化などによって失われた生態系を復元し、本来その地域にすむ生物が生息できるようにした空間。水田で餌をついばんでいるのを見ると、野生でもたくましく生きてほしいと心から思います。環境省は、令和八年度上半期中を目処に、本州で初めて、石川県能登地域にてトキの放鳥を行い、野生復帰事業を展開していくことを決定しました。将来的には全国各地の空をトキが舞う日が来ることを目指しています。トキが生息できる自然環境は、人間にとっても他の生き物にとっても良い環境です。佐渡島では、トキをシンボルとして地域の自然環境保全の取組を進めることで、生物多様性も増進しました。また、地域の活性化にもつながりました。全国各地でも、佐渡島と同様に、人間と自然が共生することができる環境づくりが進み、トキを受け入れることができる環境が広がっていくことを目指していきますので、国民の皆様におかれても、トキ野生復帰事業に御理解・御協力を頂けますと幸いです。自分たちの水田で放鳥してほしいとの要望を頂くまでになりました。方々のトキに対する想いです。皆さんの想いは様々で、全てに応えることは難しい部分もありますが、なるべく多くの想いに応えることができるよう、情報伝達手段が充実している今でも、私たちは当時を見習って、地域の方々とできるだけ直接お話をするようにしています。になって巣の中に雛を見つけたときはとても嬉しく、成長を楽しみにしながら毎日観察しています。放鳥したときです。放鳥箱からトキを放鳥した瞬間、佐渡島の空に飛び立ったトキを見て、地域の方々が目を輝かせて喜んでくださいます。佐渡島には、野生絶滅前からトキの保護に携わってきた方もいますし、多くの方々が、トキの野生復帰のために餌場となる水田やビオトープの整備に取り組んできたので、放鳥箱が開いた瞬間、地域の方々がトキに掛けてきた想いもあふれ出てくるのだと思います。私たちはこういった地域の方々の姿を見ると、次の放鳥も実現させようと非常にやる気が出てきます。また、放鳥されたトキが事業を進めるにあたって、私たちが重要視している点は、地域の野外でトキの姿を見るたびに、事業の成果を実感します。特に春最もやりがいを感じるのは、トキを― 業務を通じて喜びややりがいを感じられるのは、どのようなことでしょうか。― 最後に、国民の皆様へメッセージをお願いします。▲トキ放鳥の様子人事院月報 No.909国民の生活・安全を支えるプロフェッショナルを表彰 ~第37回人事院総裁賞~特集09

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