■ 第37 回(令和6年度)人事院総裁賞 選考委員 ■ 石戸奈々子 NPO法人CANVAS理事長、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 佐宗 邦威 株式会社BIOTOPE代表◎玉塚 元一 株式会社ロッテホールディングス代表取締役社長CEO 所 千晴 早稲田大学理工学術院創造理工学部長/研究科長、 東京大学大学院工学系研究科教授 中江 有里 俳優・作家・歌手 橋詰 邦弘 一般社団法人共同通信社論説委員 宮島 香澄 日本テレビ放送網株式会社報道局解説委員 吉野 直行 慶應義塾大学経済学部名誉教授○○○○○○人事院月報 No.909国民の生活・安全を支えるプロフェッショナルを表彰 ~第37回人事院総裁賞~特集 て、全国的に発信されていくべきものである。トキの保護は国民の関心も高く、世界的にも注目されている。生息数が十分な数になったと認められ、本州での放鳥も十分視野に入ってきた。これまでの手法の検証が、本州での放鳥成功につながることを期待する。長年にわたりトキが存続できる環境を調査・整備してきた功績は、一つの種の保護を超え、日本全体の環境、文化や風土を守ることにも深く貢献すると感じる。トキの事業で培われた知見や技術が、気候変動や環境変化に立ち向かうための力となり、人間と自然が共生するための環境バランスを支えることを期待する。二〇年ぶりとなる三種の新紙幣発行に、一五〇年継承し続けてきた技術と新たなデジタル技術が融合している。単に過去をなぞるのではなく、時代に合わせた技術開発の努力によって、それを実現し、紙幣の偽造防止効果を更に高めている。長年地道な研鑽を積む胆力と向上心が、紙幣を安心して使用できる基盤を支えていると感じる。新札を手にする機会が増えてきたが、実に精工で美しいものだと感じている。偽造防止効果だけでなく、電子マネーを使う機会が増えた今だからこそ、本物の芸術的な美しさが、以前にも増して価値のあるものになっているのではないか。日本の紙幣の偽造防止効果の高さは世界にも知られている。海外から日本に製造を依頼する国もあるという素晴らしい技術力を高く評価したい。独立行政法人国立印刷局工芸部門▲宮島委員▲吉野委員▲中江委員▲橋詰委員(五十音順、敬称略。◎は委員長)13
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