人事院月報 2025年8月号 No.912
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ることに気がついた。民間との人事交流を広くつないでいただけることは有益である。新任の役職者は、責任感や使命感を強く持っており、今までに自身が受けてきたことと同様の指導をしようとしても、部下の意識が変わっているため、なかなかうまくいかず、誰にも相談できない状況となっている。新人にはメンター制度があると聞いているが、新たに上司となった職員にこそメンターやスーパーバイザーといった困った時に相談できる体制が必要である。AIの活用について説明責任が求められる公務においては、最終的な判断は人間が担うべきだが、そういった前提の下でAIを補完的に活用することについては、より積極的な議論があっても良いのではないか。また、AIの活用は公務員に求められる資質にも変化をもたらすと考える。AIが公務そのものを代替することはあり得ないと信じるが、AIは公務に求められる人材の量と質の双方に大きな影響を与えるはずであり、AIと人事制度との接点は避けて通れないものであると考える。○○○○○i人事院月報 No.912未来を見据えた人事行政~公務員問題懇話会を開催~人事行政報告     職員の成長支援と組織パフォーマンスの向上ll-bengの実現に向けた環境整備We管理職の成長支援について仕事と生活の両立支援について育児休業や介護休暇等の取得が人事評価にどのような影響を与えるのかということが明文化され、職員に周知されていなければ取得しにくくなる。また、制度があっても複雑で分かりにくいと、結果として取得されないという例もある。女性活躍の観点からも人事評価において何が評価されるのかを明文化するとともに、どのような制度があるかも含めて職員に周知することが必要である。超過勤務について部下の超過勤務が非常に多い場合には、その上司の評価にも反映させるような仕組みが必要ではないかと思う。必死に働いても毎日深夜まで勤務が続く状況ならば、無駄な仕事を削減して業務量を減らすか、人員を増やすかのどちらかになるが、そのためには、どのよう▲公務員問題懇話会の様子(神戸市)11

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